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武術解説番組『明鏡止水』

明鏡止水めいきょうしすいの”明鏡”とは、”曇りのない鏡”のことを指し、”止水”とは”流れないでじっととどまっている水”のことを指します。このことから、邪念がなく、心がスッキリとしている様子を表す四字熟語となっています。また、日本酒には明鏡止水という銘柄もあります。

この"明鏡止水"をタイトルにしたNHKの番組があります。それが『明鏡止水~武のKAMIWAZA~』という番組です。この番組は、日本の武術を紹介する番組で、武術の達人たちを集めて、熱いトークと秘伝の技を披露する不思議な番組になっています。司会は、自身も武術の心得がある岡田准一さんと、格闘技通のケンドーコバヤシさんです。これまでの回では、柔術や剣術などが取り上げられていました。

岡田さんは本当に格闘技が好きみたいで、その熱量の大きさが伝わってきます。番組中も、岡田さんは熱くなりすぎるので、ケンコバさんが努めて冷静に司会進行しようとする姿が対照的です。この番組を知ったのは、寝る前にテレビをつけてザッピングしていた時でした。いきなり画面に現れた、大きな畳の領域を囲むように配置された出演者たちが、不思議な空間を醸し出していました。

私も格闘技は嫌いではないので、ついつい流れで見てしまいました。この中で紹介された柔術や剣術の達人技は、本当に凄いものばかりです。なので、司会の岡田さんの目の輝きが違います。

私が好きな格闘マンガに板垣恵介先生の『グラップラー刃牙ばき』があります。このマンガの主人公が刃牙という青年で、彼はノンジャンルの総合格闘技ですが、登場人物には空手・中国武術・合気道・プロレス・喧嘩などの達人(超人)が数多く出てきます。どの人も魅力的なのですが、私がお気に入りなのは、タイトル画の『渋川剛気』という実戦合気柔術の達人です。ツーブロックの現代的な髪形をした渋川剛気は70歳を過ぎたお爺ちゃんですが、”近代武道の最高峰”や”武の体現者”といわれる本当の達人です。

この渋川剛気のモデルとなっているのは、実在した合気道の達人・塩田剛三さんです。塩田さんは、大正4年生まれの合気道の達人で、身長154cm、体重46kgと小柄な体格でしたが、存命の時は”不世出の達人”や”生ける伝説”と評されていました。そんな人が本当にいたんですねぇ。

『明鏡止水』の出演者には女性の方もいるのですが、”強い男に憧れる”男性の男心をくすぐる不思議な番組です。NHKは攻めてるなぁ・・・。

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