バブル景気 最高! 再考?
バブル景気は好景気の通称で、1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月までの51か月間に、日本で起こった土地価格の上昇による好景気を指します。バブル景気には、それに付随して起こった様々な社会現象がありました。
バブル期には、株式価格も右肩上がりでしたから、株式市場が過熱しました。もっとも有名なのは民営化したNTTの株式公開です。NTT株の1次売り出し価格は119万7,000円でしたが、あまりの人気で買いが殺到し、初日は値がつかず、翌日に初値160万円という高値で売買がスタートしました。その後も買いは止まらず、公開から2カ月で、史上最高値の318万円まで高騰しました。これは、当時の時価総額の世界記録でした。この時期は大学生にも株式ブームが波及し、多くの大学に株式サークルができました。しかし、いつまでも続くかに思われたバブルも、弾けて崩壊しました。
このような日本の反面教師がありながら、21世紀に入るとアメリカが、住宅と金融を中心にした資産価格の高騰、景気拡大期を迎えます。これがいわゆる米国バブルです。しかし、このバブルも長続きしませんでした。住宅価格が下落し始めると、サブプライムローンと呼ばれる債権が不良債権化し、サブプライムローン債権が組み込まれた金融商品が信用を失い、市場での投げ売りが相次ぎました。この波紋から2008年終盤にはリーマン・ブラザーズ倒産によるリーマン・ショックなどが引き起こされ、高い信用力を持っていたAIGやフレディマックなどのアメリカの大企業が国有化される事態にまで至りました。
中国で、今まさにバブルが弾けようとしています。中国の不動産大手、中国恒大集団が破綻の危機に瀕しているそうです。一部からは中国版リーマンショックを危惧する声も聞かれています。どうやら、二度あることは三度あるようです。
人間は歴史を学ばないみたいで、自分の身には起きるはずがない、という偏ったバイアスがかかっています。このバイアスがある限り、第4、第5のバブルもいつか起きそうです。