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一過性脳虚血発作で、検査入院したことがあります。

 30代の前半の時でした。夏頃だったと思いますが、一過性脳虚血発作が起きました。

 一過性脳虚血発作(TIA: Transient Ischemic Attack)は、脳梗塞と同じ症状が一時的に起こって短時間で消失するものです。しかし、 一時的な症状なので大丈夫と思ってはいけません。2日以内に本格的な脳梗塞を起こす可能性が高い危険な発作です。 原因に応じた適切な治療を早期に開始すれば、脳卒中発作を防ぐことも可能です。 症状が消えても軽視せずに、直ちに専門の医療機関を受診することが大切です。

 いつものように朝起きて、トイレで用を足していた時にその症状が突然やってきました。まず、強い痺れではありませんが、右手が痺れたような感覚に襲われました。トイレから出て妻に「右手が痺れた」と伝えようとしたのですが、今度は右の頬と唇が痺れて、うまく喋ることができませんでした。妻は慌てていましたが、5分くらい経つと右手の痺れや口の痺れは、嘘のように消えて行きました。

 この記事のためにググった情報では、『一過性脳虚血発作は脳梗塞の前触れでもあるため、片方の手足が動かしづらい・片方の手足がしびれる喋りづらい・突然片方の視野が暗くなるといった症状がある・・・』と書いてありました。私の症状も、ぴったり一致していました。

 この時は一過性脳虚血発作のことは全く知りませんでしたが、ちょっと気持ち悪いので、妻に付き添ってもらって、近くの大きな病院で診察してもらうことにしました。朝の症状を先生に伝えると、「それは一過性脳虚血発作ですねぇ。30代で症状が出る人は珍しいですが、例が無いこともありません。一般的には、この後1週間のうちに脳梗塞の発作が起きる可能性が高いんですよ。奥さんも覚悟して下さい」と脅されました。この時、一瞬、車椅子姿の自分を想像しました。また、「仕事も続けられないかも・・・」とも思いました。

 この後、1週間ほど検査入院することになりました。検査では、肩付近の超音波エコー、全身のNMRポジトロンCT(PET: Positron Emission Tomography) 他の多くの検査を受けました。一過性脳虚血性発作の多くは、頸部や脳内の動脈にできた血栓が、脳の血管を詰まらせることが原因です。私の場合も一時的な血栓が原因のようでしたが、検査の結果は特に異常が無く、検査入院だけで退院ことができました。

 幸いなことに検査入院の後から現在まで、一度も症状が出ませんでした。しかし、運が悪ければ、半身不随になっていたかもしれません。皆さんも、同じような症状に心当たりがあれば、迷わず病院で受診して下さい。

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