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"ブス"の使用法の変遷 いつから男性にも?

極端なルッキズムは論外ですが、誰しも美人やイケメンには好印象を抱くでしょう。「人は顔だけじゃないよ」とは言いますが、性格が良い上に顔まで良ければ言うことありません。

あまり使いたくない言葉ですが、”容姿の残念な人”のことをブスといいます。見た目だけの”通常のブス”もいますが、根性がねじ曲がった”性格ブス”という人もいます。このブスの語源ですが、ネット上では間違った語源が拡散しています。間違った語源の説明では、トリカブトの毒の名前である附子ぶす由来という説が書かれていましたが、これは”ブス”という呼び名が偶然に一致していたことから生じた誤解です。その証拠に、太平洋戦争前には、ブスが今のような意味では使われていませんでした。

ブスは、暴力団対応のために警察が出版した隠語集に記載されている”不細工なスケ”が由来です。”ブサイクナスケ”はその後、”ブスケ”となり、さらに”ブス”と変化しました。ブスは、ヤバいなどと同様に暴力団用語が由来ですから、あまり品の良い言葉ではありません。ブスには、元々が女性を表す隠語であるスケが含まれているので、本来の対象は女性限定になります。

しかし、最近では男性に対してもブスが使われるようになってきました。おそらく”醜い”という意味の部分だけが世間に認知され、男性にも使われるようになったのでしょう。私のような古い人間には、ブスを男性に使う用法には違和感を覚えますが、これも日本語が変遷する自然な流れなのでしょう。

多くの人が使えば、”間違った用法/意味”でも正しい表現になってしまいます。『情けは人の為ならず』や『蛙の子は蛙』の本来の意味を間違いなく答えられる人は、どのくらいいるでしょうか?。

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