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古生物バンザイ#3 恐竜の本

 古生物の中でも、恐竜の人気は群を抜いています。場合(人)によっては、古生物≒恐竜と考えられます。恐竜は、中生代の三畳紀に現れ、その後のジュラ紀白亜紀と中生代を通じて繁栄しました。恐竜たちは、多様な形態と習性に適応放散し、一部の恐竜は巨大になりました。しかし、約6,600万年前の白亜紀と新生代との境目の時期に、その多くが絶滅しました。その原因は、まだ確定していませんが、小天体の衝突だと考えられています。ただし、鳥類のように獣脚類の一部は、現在も繁栄しているとする説が主流になっています。つまり、”恐竜は絶滅していない”のです。

 私も子供の頃、ティラノサウルスやステゴサウルスなどの、入門向け恐竜から”古生物好き”をスタートしました。恐竜の本も少しづつ購入してコレクションしていましたが、この数年は忙しさにかまけて、恐竜から少し遠ざかっていました。この前、久しぶりに思い出して、本棚を見ていると15年前くらいに買った恐竜本が出てきました。

 その本が今回紹介する『恐竜 野外博物館』です。この本は、今は生きていない恐竜の野外での生態を詳細に描いた”フィクション本”です。この本の構成は、恐竜の名前と特徴から始まり、習性と生息地が、”見てきたように”書かれています。この本は、序文で説明されているように、恐竜がまだ生きている前提で、”活き活き”と書かれています。

 カラーの恐竜イラストは、他の恐竜本には無いクオリティです。何が良いかというと、”恐竜のポーズ”が修逸なのです。最近は、CGで描かれた高精細な恐竜イメージも珍しくありませんが、CGには無い独特のポーズが私には堪りません。例えが適切ではないかもしれませんが、写楽のような”浮世絵の大首絵”のような、恐竜イラストが数多く描かれています。一般的な恐竜図鑑だと、横向きまたは正面の”大人しい/上品な”姿が描かれます。しかし、この本では、顔にフォーカスした極端なポーズや、尻尾にフォーカスした後ろ姿、手や足にフォーカスした姿など、これまでの恐竜本にない”活き活きとした”恐竜が描かれています。

 また、白黒の”恐竜デッサン”も数多く描かれています。食事をする恐竜、戦う恐竜、子育てする恐竜、卵や子供の恐竜、繁殖行動の恐竜など、「見て来たんかい!?」とツッコみたくなる仕上がりになっています。ただし、この本は、”論文や専門書の研究成果”に基づいていません。この内容を”信じるかどうかは、あなた次第”です。また、英語の原著は20年前くらいの本ですから、恐竜の最新情報がアップデートされていない可能性があります。しかし、眺めているだけで思わず笑みがこぼれる美しいイラストです。

 恐竜好きなら、是非とも手元に置きたい一冊です。私は15年前の本が経年劣化していたので、先週、保存用にもう一冊買いました。


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