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アメリカ生活#7 モヒカン刈りには気をつけろ!

 アメリカでは、郵便物が玄関先にある郵便箱に届きます。これは、日本でも一緒ですが、送りたい手紙を郵便箱に入れて、合図のため郵便箱のレバー(みたいなやつ)を上げておくと、回収もしてくれます。また、大きな郵便物の場合は、玄関先で丁寧に手渡ししてくれます。

 アメリカではセキュリティ上、いきなり玄関のドアを開けることは危険です。私が住んでいた場所は比較的安全な住宅街でしたが、一つ離れた通りでは、住み始めて間もないころに殺人事件が起こっていました。ですから、ドアチャイムが鳴ったら、まずは玄関ドアに備え付けの覗き窓から、外の様子を覗きます。郵便配達だとわかっていても、この作業は必須です。

 ある時、ピンポーンとドアチャイムが鳴りました。郵便配達かなと、覗き窓で外を覗くと、タイトル図のようなモヒカン刈りの大男が立っていました。髪の毛の分もありますが、2m近い長身の男性でした。怖いよぉ、一体何の用事なんだろう・・・。ひょっとすると、昼間なのに強盗なの、と色んな思いが頭を巡りました。

 唐突に、その男が声を発しました。「ここは○〇〇通りか?」。私はすかさず、「ち、違います△△△通りです」と答えました。その大男は「ああ、そうか」と無表情で言ってスゴスゴと帰って行きました。よく見ると、その男性は両手に宅配ピザの箱を抱えていました。なんと、この人は強盗ではなく、宅配ピザの配達人でした。どうやら、目的の家の通りを1つ間違えたようでした。うちではピザを頼んでいないので、ドアを開けずに済みましたが、本当に頼んだ人でも、あの格好を見たら、ドアを開けるのを躊躇するんじゃないだろうか、と他所様の心配をしてしまいました。


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