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長生きリスクとは、長生きすることによって老後の生活資金が不足し、貧困に陥る可能性を指した言葉です。2019年に金融庁が試算し、当時の麻生副総理がポロッと喋ってしまって話題になった、”老後2,000万円問題”は覚えている人も少なくないと思います。老後2,000万円問題の発端は、金融庁の金融審議会が発表した『高齢社会における資産形成・管理』についての報告書でした。こ報告書の試算では、毎月5.5万円ほど不足すると推定されていました。

生活水準や資産状況などは人それぞれなので、全ての人の老後資金が一律2,000万円不足するわけではありません。しかし、予想以上に長生きしすぎると、予想外の出費などで準備していた資金が底をつく恐れがあります。医療技術の進展と相まって、今後も長寿化が見込まれていて、”人生100年時代”と呼ばれる超高齢社会が来るかもしれません。十分に貯蓄がある人でも、老後の資金不足に陥る可能性はゼロではないのです。

私が生まれた昭和35年(1960年)の平均寿命は、男性65.32歳、女性70.19歳でした。少し前の令和2年(2020年)の平均寿命は、男性81.34歳、女性87.64歳なので、かなり平均寿命が延びたことがわかります。幸い、現時点で両親ともに健在ですが、父は男性の平均寿命をとっくに超えています。両親は裕福ではありませんが、田舎に住んでいて物価が安いことと、持ち家があるので住宅費がかからないので、年金だけでも十分生活が出来ています。

この前帰省した時に83歳になる母が私に言いました。「あと10年は生きそうな気がする。でも、それ以上生きると、あなたの方が先に逝くかもしれない。子供より後に死にたくない」と言っていました。また、「田舎の野菜は健康的すぎる。そろそろ残留農薬付きの野菜でも食べないと、長生きし過ぎてしまう」とも冗談で言っていました。

両親には長生きしてほしいと思います。しかし、長生きしすぎると子供の方が先に死んでしまう可能性が出てきます。これが、別の意味での長生きリスクです。

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