久しぶりのカエルネタです。みなさんは”リープフロッグ現象”という言葉をご存知でしょうか?。リープフロッグとは、leap(跳ぶ)とfrog(カエル)という2つの英単語を組み合せて作った造語です。つまりカエルが宙を跳ぶように、途中の段階をスッ飛ばし、一気に発展する様を表しています。
一般的に、社会インフラが整っていない途上国でも、先進国と同じプロセスを踏んでテクノロジーやサービスが発展していくと考えられてきました。しかし、最近のアフリカ諸国や新興国の様子を見ると、その説明が当てはまらないケースが多く出てきています。このような国では、先進国が辿ってきた道をそのまま辿るのではなく、古くさい技術から一気に世界最先端の技術を利用するという現象が起こっています。これがリープフロッグ現象と呼ばれています。
リープフロッグ現象の事例として挙げられるのが、電話と金融です。かつての電話システムは、一度電話交換手を中継し、そこから話したい相手に繋いでもらうという仕組みでした。その後電話交換手が不要な固定電話が生まれ、さらに持ち運べる携帯電話へと変わり、現代では当たり前になったスマートフォンが誕生しました。つまり、公衆電話→固定電話→PHS→携帯電話→スマホという流れを、先進国は辿りました。しかし、リープフロッグが起こるアフリカ諸国や新興国などでは、公衆電話から一気にスマホとなる、4段階ものカエル跳びに成功したことになります。
金融のリープフロッグの例が、アフリカ・ケニアの金融システムです。ケニアでは、驚くことに7割の人が銀行口座を持っていません。そのため、日本のようにATMでどこでも現金を引き出すことはできません。では、どのようにして物品を売買しているのでしょうか?。ケニアでは、日本と比較にならないくらい電子マネーが普及しています。スマホが登場した後は、M-pesaという電子マネーが使われ、一気に広がりました。 今では成人の96%がこの電子マネーを使っているそうです。
世の中は、着実に良い方向に変化しています。そのことが『FACTFULNESS~ 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』に書かれています。我々は様々な”間違った”思い込みをしています。変化が速い現在では、今までの常識がすぐに非常識に変わります。”思い込み”は、技術や社会の進歩を妨げる”リスク”になりそうです。
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