超私的グルメ(8) 松茸づくし
今回は、誰が食べても美味しいと思う本当のグルメの話です。今回も、ご馳走して頂いた料理でスミマセン。これは、私が大学院生の時に、京都の学会に行った時の話です。
本当は、私の大学での指導教員だけが、ある企業の重役さんから夕食に誘われていたのですが、その先生が君も一緒に行かないかと誘ってくれて同行することになりました。ひょっとすると先生は、一対一の接待はマズイと思って、私を誘ったのかもしれません。祇園近くの待ち合わせ場所で合流して、3人でその店を目指しました。その重役さんも、その日が2回目らしく、前回は弟さんに店を紹介してもらったと言っていました。
京都には、”一見さんお断り”の店があります。簡単に説明すると、”一見さんお断り”というのは、そのお店が初めての人は入店を断られる場合がある事を意味します。そのような店に入るためには、前に利用したことがある人から、何らかの形で紹介される必要があります。最近はそうでもないようですが、主に京都の料亭にそのような店が多いと言われています。その店も、祇園の”一見さんお断り”の店でした。
ただ後ろを付いて行っただけなので、店の場所はほとんど覚えていません。祇園の細い路地を入ったところに、間口一間程度の小さな店がありました。中に入ると、4人が座ると満席になるようなカウンター席がありました。その時間帯のお客は、カウンターに座った我々3人だけのようでした。それから、奥には暖簾越しに、小上がりみたいな小さな部屋が見えました。その小さな店は、女将さんと板前さんの二人だけで切り盛りしているみたいでした。
季節はちょうど秋でしたので、その時の料理は松茸のフルコースでした。永谷園の松茸の味・お吸い物くらいは、食べたことがありましたが、松茸を食べるのは、その時が初めてでした。まずは、お造り(刺身)から始まって、松茸の焼き物、松茸の土瓶蒸し、とゆっくりと順々に料理が出てきました。どれも、量は少なめなので、じっくりと味わいました。〆は松茸ご飯でした。正直、松茸の焼き物や土瓶蒸しには特に感動しませんでしたが、松茸ご飯は絶品でした。これは「ウメー」と思いました。しかし、小さな茶碗に、しかも半分程度しか盛られていません。あー、もっと食べたかったなぁ。
”一見さんお断り”の店で食べたのは、この時の一回だけです。この先も、そんなチャンスは多分ないと思います。
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