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超私的グルメ(15) 黄金の金楚糕

 沖縄には仕事でよく行ったので、金楚糕(ちんすこう)という変わった名前のお菓子があることは知っていました。ちんすこうは、いまでこそ一般的ですが、元々は琉球王朝のお菓子です。那覇空港や国際通りのお店には、さまざまなバリエーションのちんすこうが売られていて、いまではすっかりお土産の定番になっています。

 しかし、皆さんはまだ”本物の金楚糕”を知りません。これを食べたら、ちんすこうの概念がひっくり返ります。私もこれを食べるまでは、ちんすこうが好きではありませんでした。ちんすこうは自分で買ったり、お土産にもらったことがあって、もちろん食べたことはありました。しかし、食感は何かボソボソするし、中途半端な甘みだし、最初の印象は”美味しくないクッキー”でした。

 でも我が家で”黄金のちんすこう”と読んでいる、”本家 新垣菓子店”のちんすこうは別格です。普通のちんすこうはどこでも手軽に買えますが、このちんすこうは気軽には買えません。それというのも、このちんすこうは大量生産していないため、連日予約分のみで完売してしまうからです。つまり、手に入れるためには前もって予約注文しないといけません。

 このレアなちんすこうは、仕事関係の知人から頂きました。しかし、正直に言うとあまり期待していませんでした。「どうせ、ちんすこうでしょ」くらいの期待感でした。家に帰って、包み紙を外すと、金楚糕の名にふさわしい金色の箱が現れました。「おやおや、ちんすこうのクセに偉そうにしてるな」と思いました。

 箱を開けると、2個づつ個包装されたちんすこうが顔を出しました。折角の頂き物なので、仕方なく食べてみました。一口目で「ウメー!」とわかりました。今までのちんすこうは、ボソボソして小麦粉感が口に残りますが、黄金のちんすこうは口の中でスーッと溶けていきました。甘さも上品で、「これが本当のちんすこうなのか!?」と衝撃を受けました。私はグルメライターではないので、この味をうまく伝えられないのが残念です。

 この記事を書こうかどうか、正直迷いました。黄金のちんすこうのことは知って欲しいのですが、あまり教えたくないという気持ちもありました。私もまだ3回しか食べたことがありません。本家 新垣菓子店のちんすこうは、琉球王家の至宝、キング・オブ・チンスコウです。これを食べたら、他のちんすこうが食べられなくなりますので、普通のちんすこうが好きな人にはお勧めできません。

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