大学受験に半分失敗!?
この話には正直触れたくない気持ちが今でも残っていますが、同じような経験をした、または、これからするかもしれない人のために書きたいと思います。
もう数十年前の話ですが、大学受験に失敗しました。正確に言えば失敗ではなく、中途半端な合格でした。受験生の私は、某大学工学部の某学科が第一志望でした。学力はマアマアで結構自信があったのですが、本番で緊張しすぎて普段通りに問題を解くことができませんでした。家庭の事情もあり、受けたのはこの大学一校だけでした。不合格を覚悟していましたが、なんと第二志望の学科に合格していました。
しかし、第二志望の学科にはあまり興味がありませんでした。浪人したい、浪人させて欲しいと思いましたが、母は泣いて喜んでいるし、父も満更ではない様子なので、切り出すことができませんでした。結局、踏ん切りがつかないまま、ずるずるとその大学に入学することになりました。大学自体には不満はないのですが、第二志望というのに引っ掛かりがありました。今思えば、つまらないプライドというやつのためです。
大学に入ってもピリピリしていました。自ら心の壁を作って、クラスメートと馴染もうともしませんでした。昼食も自ら選んでボッチ飯にしていました。しかし、こんな私にしきりに話しかけてくるクラスメートがいました。そのクラスメートは、下宿が同じで、偶々ですが出身県も同じでした。そのクラスメートがしきりに誘うので、気付けば、いつも何人かのグループで昼飯を食べていました。
それから、もう一つ心のわだかまりが消えるきっかけとなった出来事がありました。新入生の健康診断の時でした。身体測定やレントゲン、視力検査などが終わって最後の内科検診になりました。担当の先生はまだ若い医者でした。その先生が私の検診の時に、健康診断カードを見ながら「○○学科なんだね」と、気安く話しかけてきました。何でかわかりませんが、私は「第二志望なんです」と言っていました。その先生は、私の言葉を受けてこう言いました。「でも○○がないと産業は成り立たないよね」。そうニコニコ言った後、早速触診に移りました。
その先生は、私が小さな事でイジイジしてることは知りませんし、アドバイスしてあげようという気持ちも全くなかったと思いますが、この何気無い一言が、私の心に響きました。この言葉を聞いた後、自分は今までなんて小さな事に拘っていたんだろうと、無性に恥ずかしくなりました。
人生は、なかなか思い通りに行きません。というより、思い通りにならない事ばかりです。このあと少しづつですが、第二希望でも世の中の役に立つことはたくさんできる、第二希望でも立派な合格だ、ラッキーだったと思えるようになりました。このあと、色んなことで挫けそうになるたびに、このエピソードを思い出しました。あの失敗があったから、何とかここまで生きて来れました。
周りの状況は変えられませんが、自分自身は変えることができます。失敗をバネにして、力を貯めて困難に向き合うことはできます。バネの力学的エネルギーは、伸縮量の2乗に比例します。つまり、縮めば縮むほど大きなエネルギーを蓄えられるのです。しかし、四六時中頑張っていたら体が持ちません。時には休んだり、凹んだりすることもアリですね。私は休んでばっかりですが・・・。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?