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ナマケモノは怠けない。

前世というものがあるのなら、私はきっとナマケモノだったのでしょう。仕事はキチンとこなすタイプですが、それ以外は全然キチンとしていません。掃除や洗濯はほぼ出来ませんし、整理整頓も不得意です。唯一出来るのは料理くらいですが、そのあとの後片付けは苦手です。

そのゆっくりとした動作から”怠け者(ナマケモノ)”という和名が付いた動物は、アリクイなどと同じ有毛目の動物です。英語名は Sloth ですが、こちらも”怠惰”や”ものぐさ”を意味します。体長は40-70 ㎝で、四肢は長く、前肢のほうが後肢より発達しています。この前肢には長い鉤爪が付いていて、これを木の枝に引っ掛けてぶら下がっています。ナマケモノは鉤爪かぎづめの本数の違いによって、ミユビ(三指)ナマケモとフタユビ(二指)ナマケモノに分類できます。タイトル画のナマケモノは、樹上でくつろいでいるミユビナマケモノです。

ナマケモノは”超が付く”省エネの動物です。16世紀にヨーロッパに紹介された当初は、餌を全く摂らないので、風から栄養を摂取する動物だと考えられていたほどです。しかし実際には、1日に10 g ほどの植物を摂取しています。それでも”僅か10 g”というのは驚きです。昼寝ばかりしているよく似た生態のコアラがいますが、こちらは一日当たりの植物摂食量が500 g 以上もあります。コアラは有毒のユーカリの葉を解毒するために、多くのエネルギーを消費しています。

ナマケモノの省エネ生活を可能にしている、驚くべき生態があります。ナマケモノは、現生哺乳類ではとても珍しい変温動物で、外気に合わせて体温を変化させることで代謝を抑えています。つまり、基礎代謝量が非常に低く抑えられるので、ごく少量の食物摂取でも生命活動が可能となっているのです。ちなみに、コアラは多くの哺乳類と同じく恒温動物です。

基本的には、ボーと過ごすのが私のルーチンワークで、週末は特にボーっとしています。理想の生活様式は、やっぱりナマケモノです。でも一日 10 g では、さすがに生きていけません。ヨガを極めれば、代謝を落として低体温で暮らせるのでしょうか?。ナマケモノ道は、厳しそうです。

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