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”ブロントサウルス”が帰ってきた!

 古くからの恐竜ファンなら、”ブロントサウルス”と言う名前を聞いたことがあるはずです。”雷トカゲ”を意味するブロントサウルス(Brontosaurus)は、代表的な巨大竜脚類恐竜の属の一つで、かつてはティラノサウルスと子供たちの人気を二分していた有名な恐竜でした。ブロントサウルスは、長い首と小さな頭を持っており、植物食性に適応していたと考えられています。その成体の体重は約15 t、全長は22 m あったと推定されています。

 しかし、ブロントサウルスはアパトサウルスと長い間同一視されていたため、しばらく名前が消滅していました。恐竜の命名規則には、先に命名されたものが優先されるルールがあって、アパトサウルスの命名時期の方が早かったので、ブロントサウルスの名前が無くなることになりました。ブロントサウルスの名前が消滅したことは知っていましたが、恐竜のオールドファンとしては大変残念に思っていました。

 比較的最近、名前が無効になって変更された恐竜がいます。その名はセイスモサウルス(Seismosaurus)です。セイスモサウルスは、中生代ジュラ紀後期の巨大竜脚類で、推定全長33メートル、体重40トン前後です。この属名は”地震トカゲ”を表わし、”歩くと地震が起きるほどの巨体”ということから命名されました。しかし、2004年に同じディプロドクス科のディプロドクス (Diplodocus)の1種であることが判明して、『ディプロドクス・ハロルム』として再分類されました。
 名前が”無効になりそうになった”有名な恐竜もいます。それは、恐竜の代名詞でもあるティラノサウルスです。ティラノサウルスは有名になり過ぎたので、例外的に命名ルールの適用外になりました。

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 だがしかし、ブロンザウルスが密かに(大々的に?)復活していたことを最近知りました。化石ハンター・マーシュによって1879年にブロントサウルスと記載されたこの恐竜は、1903年にアパトサウルスに再分類されました。しかし、2015年のイギリスとポルトガルの共同研究チームの調査によって、ブロントサウルスはアパトサウルスと明確に区別されると結論づけられ、元の名前に復活しました。映画、切手、その他様々なメディアで題材にされてきたブロントサウルスが復活したのは、喜ばしいことです。ただし、全ての古生物学者がこの見解に同意しているわけではないそうなので、今後の動向が気になります。

 昔の復元図では、首を縦に伸ばした勇壮な姿でしたが、現在の復元図では首や尻尾が地面と平行になるように水平に描かれています。ブロントサウルスは、ジュラ紀の終わりと共に絶滅しましたが、紆余曲折を経て帰ってきました。

  "Congratulations! You are back.”

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