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ウロボロスの遺伝子 第4章までのあらすじ

 第4章までをまとめました。ネタバレがありますので、最初から読みたい人はご遠慮ください。小説後半のスリリングな部分だけ読みたい方は、第5章からでも大丈夫です。でも、このあらすじだけは読んでくださいね^^。

 三年前の晩秋のある日、未明に一つの事件が解決し、早朝に一つの事件が発生した。解決した事件は幼児誘拐事件、発生したのは高齢者の暴走運転による死傷事件である。一見まったく無関係に思える二つの事件は、この物語の中で現在と過去を行きつ戻りつしながら、二重螺旋構造のDNAのように複雑に絡み合っていく。

 二つの事件から三年後の現在、国立ワクチン研究所で強毒性の鳥インフルエンザウイルスが盗まれる新たな事件が発生する。この事件は、内閣総理大臣・毛利元康の元に届いた脅迫メールから発覚する。犯人の目的は、五十億円相当の仮想通貨とワクチン研究所所長の辞任だった。大規模なバイオテロに発展するかもしれない、この盗難事件を秘密裏に捜査するため、昨年末に発足したばかりの内閣府危機管理局の主任危機管理官・赤城百花と危機管理官・黒田保夫の二人が選ばれる。赤城は東大卒の元キャリア官僚で、黒田は元警察官である。捜査会議で二人は、危機管理局局長の鬼塚健一から、過去の幼児誘拐事件が特殊な経緯で解決したことを知らされる。この時に犯人捜査に協力したのが、伝説のハッカー・仙石善人であった。二人は、鬼塚の指令で仙石が待つマッドサイエンス研究所を訪ねることになる。

 怪しげな名前を冠したマッドサイエンス研究所は、隕石によってクレータができたと伝承が残る星久保村にある。山奥にある星久保村までの道中で、二人は親切な農夫に道を教えてもらい、やっとの思いで研究所に到着する。二人は研究所建物の入口で、コンピュータグラフィクスとボーカロイドを組み合わせたバーチャロイド技術で作られた「デジタル研究所長・仙石」に出迎えられる。赤城と黒田は、仙石所長の意を汲むサイエンスコンシェルジュ・青山海渡から説明を受けて、マッドサイエンス研究所の概要を知る。青山の説明が終わる頃、先ほどの農夫、ノーベル賞受賞者である研究所副所長・白鳥進一郎が現れる。赤城と黒田は、白鳥博士からウイルスに関する詳しい説明を聞き、無差別なウイルス拡散の危険性をあらためて感じる。

 次に青山は、過去の幼児誘拐事件解決の鍵となった小森太陽人見=マリアンヌ=麗子を紹介し、赤城と黒田はこの二人から事件解決の顛末を聞くこととなる。小森は研究所在住のニートながら仙石も認める凄腕ハッカーで、白鳥の要請もあり、ウイルス盗難事件の協力を渋々約束する。また、過去に失恋のトラウマを持つ美貌の心理学者・人見も、最新の心理学の側面からウイルス誘拐事件のサポートを承知する。

 ウロボロスの遺伝子は、4章までが起承転結の前半、”起承”の部分に当たります。これから、最終章に向けて事件が大きく動きます。また、これまで散りばめられた伏線も少しづつ回収されていきます。さらに、これからダイナミックなアクションシーンも出てきます。乞うご期待。

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