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イジメとネグレクト

文科省によると、児童のイジメは次のように定義されています。”児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの”。

要するに、1)被害者・加害者の間に一定の人間関係があって、2)被害者が心身の苦痛を感じているもの、であればイジメだと認定されるということです。イジメは児童間のものだけではありません。先の定義は職場や家庭での、セクハラ・モラハラ・パワハラ・アカハラ・アルハラなどにも当てはまります。

イジメというと積極的に他者を”直接的”に攻撃する行為と考えがちですが、先の定義によれば、無視することで”間接的”に心理的なダメージを与えるネグレクトもイジメのカテゴリーに入ります。ネグレクトは、親が子供の世話をしないことに対してよく使われますが、学校などでハブられるのもネグレクトの一種です。

いわゆるコミュ障と言われる人は、ネグレクトされがちです。その人が孤独を好む人であれば問題ありませんが、本当は人と話したいのであれば、相当な心理的なストレスがかかるでしょう。どんなに孤独を愛する人でも、人間は一人では生きていけません。

村八分むらはちぶ』という言葉があります。これは、村のルールに従わない人たちを、村全体でネグレクトするということです。ただし、残りの二分だけは例外的にネグレクトしない決まりになっています。その例外が、葬式と火事です。イジメの中にも例外規定があるのが、何とも不思議なシキタリです。

イジメが止められないのは、イジメで感じた快感が忘れられないからだそうです。快感の元は脳内に流れるドーパミン(脳内麻薬)です。イジメがエスカレートしていくのは、イジメによる快感が次第にマヒしていくためです。この辺りは、本当の薬物乱用と似ています。

イジメも薬物も、一度経験してしまうと、取り返しがつきません。イジメや薬物がネグレクトできると良いのですが・・・。

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