見出し画像

ロンパの意味を知っていますか?

論破ろんぱとは、”議論をして相手の説を破ること”という意味です。つまり、”相手の意見と自分の意見が一致せずに対立している時、議論を行って自説の方が論理的に正しいと相手に納得させる行為”と言い換えることができます。そのため、論破のためには、きちんとした論理的思考に立って相手の意見を十分聞き入れ、論理的な意見で相手を納得させる必要があります。つまり、威圧的な態度や大きな声で威嚇したり、感情に任せて根拠のない意見を並べ立てて相手を言い負かしても、論破したことにはなりません。

この論破の方法を磨く練習に、ディベート(debate)というのがあります。ディベートとは、ある主題について異なる立場に分かれて議論することをいいます。ディベートは論破の練習ですので、与えられた立場が自分の意見と違う場合でも、関係なく行われます。この場合のディベートは狭義のディベートで、教育ディベート(educational debate)とも呼ばれ、多くの場合、その説得力を競い合う競技の形で行われます。ディベートの語源は、古期フランス語debatre(戦うこと)だそうです。ディベートは”言葉による戦い”なのです。

ディベートは、”口論”や”詭弁”とは異なりますが、しばしば”口論の技術”や”相手をやり込める技術”を教えるものであり、”詭弁家を作るもの”だと批判されることもあります。森見登美彦さんの小説には、京都を舞台にしたものが多く、大学のサークルとして『詭弁論部』なる架空の部活が登場します。詭弁論部とは、”世間から忌み嫌われることを意に介さずに、のらりくらりと詭弁を弄し続ける”といういばらの道をなぜか選び取った物好きたちの流刑地”という風に説明されています。

古代ギリシャの哲人であるソクラテスは、論破の達人でした。しかし、彼は論破し過ぎたために、周囲の不興を買い、最終的には死刑になってしまいます。論破や詭弁は、周りに人にとっては好ましいことではなく、”忌み嫌われる”ことを自覚する必要があります。嫌われる覚悟が出来た人は、以下の論破のコツを読んで下さい。

相手を論破する方法の1つ目は、”矛盾点を指摘すること”です。これは論理的な意見で相手を納得させるための基本で、最も効果的な手段です。ただし、これを可能にするためには、相手の話の内容をじっくり聞く必要があります。相手の話を理解し、矛盾点を見つけ出すことができれば、相手のペースを乱すことができます。

相手を論破する方法の2つ目は、”相手に多く喋らせる”です。あなたを論破しようとする相手は、様々な論理を使ってあなたを言い負かそうとします。しかし、多くを語れば語るほど、論理にほころびが生じます。そのため、まずは情報収集の一環として相手に喋らせて、耳を傾けることが大切なのです。

相手を論破する方法の3つ目は、”ひたすら疑問を投げかける”です。これはいわゆる”質問攻め”で相手を圧倒する方法です。相手の話を聞いていて疑問に思ったことを問いかけることによって、相手の論理のほころびが顕在化します。この方法が、哲人・ソクラテスや論破王・ヒ〇ユキさんが使っている方法です。これは非常に効果的な方法ですが、相手を激怒させるリスクがあります。自分が良い人だと思われたい人は、この方法はお勧めできません。

この他にも、論破に必要な駆け引きやテクニックは多数存在します。しかし、検察官や弁護士ではない普通の人には、論破しなければならない状況になることはあまりありません。理性を持った論理的な話し合いは必要ですが、相手を一方的に打ち負かす論破が必要だとは思えません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?