マガジンのカバー画像

自分マガジン 日常のエッセイ編

814
日常で起こった様々な出来事をエッセイにしました。あまり役に立ちそうにありませんが、読んでホッコリして頂ければ幸いです。
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

懐かしの海外TVドラマ#3 逃亡者

 「リチャード・キンブル。職業・医師。正しかるべき正義も、時として盲(めし)いることがある。彼は身に覚えのない妻殺しの罪で死刑を宣告され、護送の途中、列車事故に遭って、からくも脱走した。孤独と絶望の逃亡生活が始まる。髪の色を変え、重労働に耐えながら、犯行現場から走り去った片腕の男を捜し求める。彼は逃げる。執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら・・・現在を、今夜を、そして明日を生きるために」  この有名なナレーションで始まる『逃亡者』は、母が大好きな連続ドラマでした。母はイ

懐かしの海外TVドラマ#2 600万ドルの男

 海外ドラマ『600万ドルの男』は、アメリカで放映された実写版のサイボーグのお話です。  日本でサイボーグと言えば、石ノ森章太郎先生の『サイボーグ009』が頭に浮かぶと思います。サイボーグ009は、漫画が原作ですが、何度もテレビアニメ化や映画化されているので、色々な世代の人が知っている国民的なサイボーグです。ただし、サイボーグ009は、一人の話ではなく、9人のサイボーグ達の協力や友情の話です。ちなみに、サイボーグ007は原作では大人のイギリス人ですが、初期のアニメや映画では

デノミネーションとトルコリラ

 はじめてトルコに行ったとき、紙幣の額面のゼロの多さにビックリしました。アンカラ空港で、円からトルコリラ(TL) に両替したのですが、2-3万円がトンデモナイ額のTLになって戻って来ました。2005年より前では、25万TL・50万TL・100万TL・500万TL・1000万TL・2000万TLの紙幣が発行されていた。紙幣の肖像はもちろん、トルコの英雄、初代大統領ムスタファ・ケマル・アタテュルクの肖像でした。  アンカラ空港からアンカラのホテルまでタクシーに乗りましたが、タ

ちょっと怖い 理科準備室の思い出

 私が通っていた小学校は歴史だけは古く、私が小6の時には開校百周年を迎えました。当時は二階建ての木造校舎で、職員室を挟んで北と南の二つに分かれていました。給食室がある校舎の方には、その近くに理科準備室があって、廊下側の列品窓には色々な動物の剝製が飾られていました。私が覚えているのは、固い鱗でおおわれたセンザンコウと、トゲトゲのハリセンボンです。その当時、すでに色が褪せていて、センザンコウは薄い茶色でしたが、ハリセンボンは白化していました。  理科準備室の室内には基本的には生

懐かしの海外TVアニメ#3 おや指トム

 『親指トム(Tom of Thumb)』は、主人公のトムとその助手のジャックが、ちびっ子光線を浴びて”ちびっ子”化して、普通の人では解決できない難事件を解決していくというストーリーです。とても短い番組で、オープニングを含めても5分ぐらいのアニメでした。たしか、アニメ版の『キングコング』と抱き合わせで、いつも一緒に放映されていました。どちらかというと、同世代にはキングコングの方が人気がありましたが、私は断然、”親指トム”派でした。既にこの頃から、へそ曲がりの片鱗が顔を出して

運動オンチと”二等のリボン”

 今はあまり使いませんが、美人の例えに「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」というのがありました。要するに、美人はどんな姿勢でも美人ということです。これをモジった野球オンチの例えに、「打てば三振、守ればエラー、走る姿はカタツムリ」と言うのがありました。流石にカタツムリよりは速く走れましたが、私は走るのが大の苦手でした。  ですから、私のとっては運動会は年に一回の最悪のイベントでした。私が通ったのは田舎の小学校なので、秋の運動会には特に力を入れていました。リレーは運動会

懐かしの海外TVアニメ#2 スーパースリー

 世間を欺く仮の姿はロックバンドのメンバー、本当の姿は諜報部員、というのが『スーパースリー』です。原題は『The Impossibles』で、直訳すれば”不可能ズ”といった感じです。ただし、直訳のままでは意味が伝わらないと思って、”スーパースリー”に改名したんだと思います。ちょっとセンスは無いけど、子供にとってはわかりやすいネーミングです。私は小学生の頃に、”諜報部員”というのが、どんな仕事をする人なのかわからずに見ていました。  ストーリーの基本は、ボスからの依頼を受けて

アメリカ生活#20 アメリカの自転車警官

 アメリカに住んでいた時に、町中でよく自転車に乗った警察官を見かけました。図のように、半そで・半ズボン・ヘルメットが基本装備で、多くの場合サングラスをかけていました。また、基本は二人組です。単独の自転車警官を見たことはありません。初めて自転車警官を見た時は、さすがアメリカ、カッコイーと思いました。20年以上前ですから、日本ではまだ、自転車警官が被っているような流線形のヘルメットは、スポーツ選手以外では使っていなかったと思います。  日本では自転車の扱いが曖昧ですが、欧米では

忘れられない社会科の先生 ”呑宙”の話

 タイトル図のムンディ先生は、公立高校の先生でもある有名なYouTuberです。私も楽しく視聴させて頂いています。ムンディ先生を見ていて、ふと中学時代の社会科の先生を思い出しました。  F先生(仮)は、小柄ですが筋肉質のガッチリした体形をしていました。顔は弁当箱のようにアゴの張った見事な四角形でした。表情は、ワザとなのか素なのかわかりませんが、常に無表情でした。なので、性格の悪い友達が付けたF先生の綽名は『鉄仮面』でした。F先生を芸能人に例えて言えば、”無表情なザキヤマさん

マグネシウム文明論 再考

 環境問題が叫ばれ、地球温暖化を抑制するために、二酸化炭素の排出を削減する様々な取り組みが行なわれています。現在のように、エネルギーを化石燃料に頼っていれば、二酸化炭素の排出は避けられません。しかし、化石燃料を介在させず、二酸化炭素も出さない新しい循環型社会システムを提案した人がいます。それが、ここで紹介する『マグネシウム文明論─石油に代わる新エネルギー資源』を書いた東京工業大学名誉教授の矢部 孝博士です。  矢部先生は、CIP法と呼ばれる双曲型偏微分方程式を解く高次精度差