懐かしの海外TVアニメ#3 おや指トム
『親指トム(Tom of Thumb)』は、主人公のトムとその助手のジャックが、ちびっ子光線を浴びて”ちびっ子”化して、普通の人では解決できない難事件を解決していくというストーリーです。とても短い番組で、オープニングを含めても5分ぐらいのアニメでした。たしか、アニメ版の『キングコング』と抱き合わせで、いつも一緒に放映されていました。どちらかというと、同世代にはキングコングの方が人気がありましたが、私は断然、”親指トム”派でした。既にこの頃から、へそ曲がりの片鱗が顔を出しています。
主人公トムの声は、『サザエさん』のマスオさんの初代の声を演じていた、近石真介さんでした。それから、トムとジャックの上司であるチーフは独特な声をお持ちの熊倉一雄さんでした。親指トムのキャッチフレーズが秀逸で、「007(ゼロゼロセブン)」をもじった「00 1/7(ゼロゼロ ななぶんのいち)」です。ちびっ子光線を浴びて主人公達が小さくなるという設定は、映画にもなった『ミクロの決死圏』の影響かもしれません。ミクロの決死圏のストーリーをかなり端折って説明すると、「手術の難しい場所の脳出血を、医療チームを乗せた潜航艇をミクロ化して体内に送り込み、脳の内部から治療して戻てくる」というものです。
本編はコメディタッチのアニメですが、本家の『親指トム(Tom Thumb)』は、イギリスの童話です。イギリスといえばアーサー王ですが、そのアーサー王の宮廷には実直で働き者の農夫がいました。農夫には「子供が欲しい」という満たされない望みがありました。農夫は夫婦揃って魔術師マーリンへのもとへ相談に行き、たとえ「親指ほどの大きさ」でもいいから息子が欲しいと懇願しました。マーリンは魔法を使ってその願いを叶えました。そうして生まれたのが本家の”親指トム”です。
子供のない老夫婦が、子供を恵んで下さるようにと住吉神社の神様に祈ると老婆に子供ができた、というのが『一寸法師』のプロローグです。洋の東西を問わず、子供が欲しいというのは、共通の願いなのでしょうか?。
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