マガジンのカバー画像

自分マガジン うんちく編

198
ウンチクに関する記事が増えてきたので、マガジンにまとめました。
運営しているクリエイター

2022年3月の記事一覧

偉人の別の顔#4 地質学者・ゲーテ

 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)は、ドイツを代表する文豪であり、小説『若きウェルテルの悩み』、叙事詩『ヘルマンとドロテーア』、詩劇『ファウスト』など広い分野で重要な作品を残しました。日本では、文豪としてのイメージが強いのですが、ゲーテは多才で政治家・法律家・哲学者としての顔を持ち、さらには色彩論・形態学・生物学などの自然科学にも研究成果を残しています。  Goetheの日本語表記は、今では”ゲーテ”に統一されて

偉人の別の顔#5 浪費家・野口英世

 千円札の肖像で知られる野口英世は、世界で初めて『梅毒のスピロヘータ菌』の培養に成功した研究者です。ノーベル財団の古い資料によると、ノーベル賞の候補に数回ノミネートされたらしいです。 しかし、結果はご存知の通りです。 渡米後にアメリカで世界的な業績を上げた野口英世ですが、日本時代の”お金に関するクズっぷり”は結構有名です。浪費家の野口が、お札の肖像画になっていることは、ある意味で皮肉です。  野口は、東北の貧乏な農家に生まれ、子供の時には囲炉裏での火傷で左手の指がくっついて

世代別 #の読み方

 問題です。タイトル画の記号”#”を、あなたならどう読みますか?。このブログを利用している若い世代の人なら、迷わず「ハッシュタグでしょ」と思ったはずです。さすがに、井桁と読む人は殆どいないでしょうが、もし居たなら、かなり”高齢な人”または”知識豊富な人”でしょう。なお、ハッシュの語源である英語のhashには、”細切れ”や”寄せ集め”という意味があります。  音楽好き人なら、この記号をシャープと呼んだかもしれません。両者は記号で表される場合、ほとんど同じ形のように見えるため、

オジサンのための現代用語#3 バンする

 最近よく聞く言葉に『バン』というのがあります。バンは、英語の”ban”が由来の言葉ですが、”禁止”という意味があります。このバンは、主にインターネット上の会話で登場するネットスラング、というか英単語の意味そのままで使われているカタカナ英語で、投稿した記事や動画が”禁止されたり”、”利用できなくなる”ことです。バン(ban)自体は名詞ですが、”バンする”や”バンされる”などのように、サ変動詞としても使われます。  例えば、個人への誹謗中傷やヘイトスピーチ的な言動が度を超すと

”土下座”考

 『魏志倭人伝』に、邪馬台国の風習として、平民が貴人の話を聞くときには、”うずくまったりひざまづいたりし、両手を地に付けて敬意を示す”という記載があることから、土下座は、古くからの日本の習慣であったのかもしれません。古墳時代の埴輪の中には、下の写真みたいに土下座に見えるポーズをしているものもあります。  時代劇などを見ると、大名行列が通る時に、土下座を強いられる庶民などが出てきますが、実際に土下座の義務があったのは将軍や御三家、その地の領主に対する場合だけだったようです。武

ランスとフリーランス

 今回は、語源オタクの人にはある意味常識のウンチクである、フリーランスの原義のお話です。  フリーランスとは、”特定の企業や団体・組織に属さずに、自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主”のことを言います。このフリーランスは、フリーランサーまたはフリーエージェントとも呼ばれます。フリーランスの語源は”傭兵”で、”フリー(自由)なランス(槍)”が元々の意味です。つまりフリーランスは、どこの王侯貴族にも属さない兵士のことを意味しました。  ただし、ランス(la