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自分マガジン うんちく編

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ウンチクに関する記事が増えてきたので、マガジンにまとめました。
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記事一覧

一字違いで・・・

外来語の誤用の例でよく出てくるのが『デッドロックに乗り上げる』という表現です。dead lockは”壊れた鍵/行き詰まり”のことですから、”乗り上げる”という日本語とは結び付きません。これは、lock(鍵)をrock(岩)と勘違いした誤用です。日本には別の表現で、『暗礁に乗り上げる』というのがありますから、lock/rock⇒岩⇒暗礁⇒乗り上げる、のような発想になったのではないかと想像します。 英単語には、lock-rockのように一文字違う単語が少なからずあります。LとR

ゲシュタルトとレゾンデートル

心理学用語には、意味が分からないけどカッコいい音の響きの専門用語があります。ドイツ語のゲシュタルト(Gestalt;形態)やフランス語のレゾンデートル(raison d'être;存在意義/存在理由)などがその例です。ただし、これらの言葉は聞いたことはありますが、人生で一度も会話の中で使ったことがありません。 レゾンデートルの用例は以下の通りです。「A社のレゾンデートルは、社会への価値を生み出し続けることにあると考えられている」。レゾンデートルは、”存在意義”と日本語に変換

フルムーンでハネムーン!?

2024年の十五夜は、9月17日(火)です。もともと、十五夜は旧暦の8月15日とされていました。しかし、月の満ち欠けを基準にした旧暦(太陰暦)と、太陽の動きを基準にしている新暦(太陽暦)では、1年の始まる日も1年の長さも違います。そのため十五夜は、毎年9月中旬~10月上旬の間となります。 また”十五夜=満月”だと思われていますが、実は満月ではない日の方が多いそうです。今年の十五夜も満月一歩手前で、実際の満月は9月18日(水)となります。英語で満月は Full moon です

シューゲイザーって何?

この歳になっても、まだまだ知らない言葉がたくさんあります。通勤時の車中で、ラジオから”シューゲイザー”という謎の言葉が聞えました。音楽グループの紹介コーナーだったので、たぶん音楽用語なのだろうとの察しはつきましたが、何のことやらさっぱりわかりません。 よくよく聞いていると、”シューゲイザー”というのは音楽ジャンルのことのようです。私の音楽ジャンルは、演歌・フォーク・ロック・ニューミュージックあたりで止まっていますから、最新の音楽シーンに出てくる音楽ジャンルは全く知りません。

掛け声の地域性 

みんなで何か物事を一緒にする時、タイミングを合わせるために掛け声をかけます。写真を撮る時には、笑顔のタイミングを合わせるために「はい、チーズ」などがありますが、「キムチ―」や「イチ足すイチは?、二-」などの変わった掛け声もあります。 力仕事をする時には、「せーの」を使いますが、これは省略形の掛け声のようです。オリジナルは、「いっせーのせ(いっせーのーせ)」や「いっせーので(いっせーのーで)」のようです。掛け声の語尾が微妙に違いますが、”ーのせ”は関東方面で使われ、”ーので”

ケムンパスと方言”やんす”について

赤塚不二夫先生のマンガ『もーれつ ア太郎』には、人外の”濃い目のキャラクター”たちが登場します。一番有名なのは、人語を話す猫のニャロメです。ニャロメの名前は、会話の最後に付ける語尾”○○ニャロメ”から来ています。ひょっとするとポケモンのニャースは、ニャロメをリスペクトしたキャラなのかもしれません。その他には、人間&タヌキの様なココロノボスや、毛虫のケムンパスや蛙のベシがいます。 これらのキャラクターで共通しているのは、語尾が常に同じという事です。ココロノボスは「○○だココロ

異世界の基礎知識(番外編) ホーンラビット

異世界のメジャーな大型生物については、以前の記事↓↓で書きました。今回はマイナーな異世界生物についての番外編です。 異世界の生物の雑魚キャラと言えばスライムですが、その次によく出てくるのがホーンラビットです。ホーンラビットは頭に角が生えたウサギのことです。この生物の元ネタは、アルミラージという伝説上の動物のようです。アルミラージは、インド洋に浮かぶとされる”竜の島”に棲息すると言われています。この兎を目にすると、あらゆる野獣は逃げ出すとする話が伝わっています。 ところで、

ネタ切れにもほどがある ”8月31日はヤサイの日”

「ブログのネタが無いなぁ」と漫然とテレビを見ていたら、今日はヤサイ(831)の日だという短いニュースが目に入りました。「よし、野菜ネタで書こう!」と思って書き始めたら、何だか違和感を感じました。そうです。実は丁度一年前に、やはりブログのネタ切れで野菜の日のことを記事にしていたのでした。下のリンクから辿れますので、お暇な方は読んでみてください。 最近は、子供の頃(50年前)には見なかった野菜がスーパーなどにも並んでいます。ズッキーニやパクチーは割とポピュラーになってきましたが

”紋切型”について

紋切型とは、「決まりきった形式」のことを意味します。例えば、”紋切型の挨拶”や”紋切型の発想”というように、形式通りで新鮮味・誠実さが感じられないというネガティブな意味で使われます。この言葉は、外来語由来の「ステレオタイプ」と同義の単語です。 この”紋切型”については知っていましたが、その由来となる『紋切』という伝統工芸があることを知りませんでした。日本の伝統的な切紙模様である紋切は、紋形の対称性を応用して、正方形の紙を一定の方式で折りたたんで紋章の部分を切りぬく手法で紙を

日本語は南方系と北方系のハイブリッド

日本語の起源は、言語学上の論点のひとつです。いまのところ、日本語は孤立した言語のひとつと考えられ、その系統については諸説ありますが、定説はありません。 言語のルーツを探す場合、比較言語学(comparative linguistics)というアプローチがあります。比較言語学は、歴史言語学の一分野であり、親縁関係や同系性が推定される諸言語を比較することにより、同系性や親縁性を見出したり、あるいは共通祖語を再構する学問です。 祖語とは、共通の歴史言語学的祖先を持つ諸言語に対す

異世界の基礎知識#5 異世界でのサバイバル

異世界に飛ばされるキッカケは様々です。異世界の魔法による勇者召喚だと、気付いたらいきなり異世界ですから、何かを考える時間はありません。しかし、この場合は”勇者確定”ですから、何らかの特殊能力が最初から備わっています。勇者なら王国からの庇護があるので、生活に苦労することは無いでしょう。ただし、魔王討伐などの危険任務が伴います。 召喚ではない場合は、過労死だったり交通事故だったり、はたまた通り魔による殺害だったりします。ただし多くの場合は、神様(世界の創造主/管理者)の手違いな

瑠璃色って何色?

瑠璃色は、”紫みを帯びた濃い青”のことです。といっても、色を言葉で表現してもピンときません。ルリという名前は、この色の元になったラピス・ラズリ(lapis lazuli)という石に由来します。たぶん後半のラズリ/ラズーリが、日本に渡来した際に”ルリ”という音へと変化したのでしょう。 ラピス・ラズリの主成分は、アフガニスタンが主産地の青金石と呼ばれる鉱物です。青金石には黄鉄鉱が混じることがあり、磨くと濃い青地に金色の斑点が輝きます。黄鉄鉱は”愚者の金”と呼ばれますが、金ではあ

血液型の種類について

ご存知のように、人間の血液型はA型・B型・O型・AB型の4種類に大別されます。また、別の分類ではRh-やRh+があるので、人間の血液型の種類を細かく分けるとおよそ300種類になるそうです。世界の総人口は80億人を超えていますから、それにしては種類が少ないような気もします。 ところで、馬の血液型は一般的にA型・C型・D型・K型・P型・Q型・T型の7種類に分けられるのだそうです。さらには細かく分けると、何と3兆種類の血液型があるそうです。それに対して、ニシローランドゴリラの血液

稲荷寿司と巻き寿司

チョッと高級な握り寿司と比べると、稲荷寿司や巻き寿司は、やや庶民的な食べ物に感じるでしょう。しかし私が子供の頃は、ちょっと贅沢なご馳走でした。当時の我家では、稲荷寿司や巻き寿司は、秋の大運動会のお弁当の定番でした。裏を返せば、運動会の様なビッグイベントでもないと作らない手間のかかる贅沢な食べ物でした。 ジジイになった今でも、稲荷寿司や巻き寿司が贅沢な食べ物だったという感覚が抜けません。いまならコンビニに行けば、稲荷寿司と巻き寿司がセットになった『助六寿司』が簡単に手に入るの