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自分マガジン お薦め本

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私が読んで面白かった本を紹介します。ジャンルは様々です。世間に余り知られていないであろうマイナー本から、メジャーな本まであります。
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#お薦め本

お勧め”シリーズ本”#4 「ホミニッド」三部作

  私小説、 歴史小説、警察小説ときて、今回はSF小説です。これはSF三部作で、最初の作品『ホミニッド』というのは、ジャワ原人や北京原人などにつかわれている”原人”という意味です。人類は、 猿人⇒原人⇒旧人⇒新人という流れで進化しましたが、その中の原人のお話です。ただし、単純な原人の話ではなく、”ネアンデルタール人が生き残った並行宇宙の地球からやってきたネアンデルタール人”の話です。我々と違う宇宙では、ネアンデルタール人が進化の最終形態である”新人”です。  作者は、ロバー

お勧め”シリーズ本”#3 「刑事マルティン・ベック」シリーズ

 今回は、ちょっと渋めの警察小説を紹介します。マルティン・ベックは、マイ・シューヴァルとペール・ヴァールーの夫婦が合作した警察小説に登場する架空の警察官です。アメリカや日本でも、二人の合作によるミステリーはありますが、夫婦合作というのは大変珍しいと思います。また、この物語の舞台は、北欧スウェーデンの首都であるストックホルムです。  マルチン・ベックを主人公とした長編10冊からなるこのシリーズには、「犯罪の物語」というシリーズ名がつけられているそうです。このシリーズ本の邦題は

お薦めマイナー本#13 『物理数学の直観的方法 』

 この本『物理数学の直観的方法』は、大学院生の頃に読み、衝撃を受けました。それまでの、応用数学/物理数学の教科書は、数式が並んでいるだけの無味乾燥な本でしたが、本書は数式の物理的な意味を具体例を挙げて説明している点が独特でした。  物理現象をシミュレートする場合、複雑な物理現象を単純化した数学モデルの構築が必要です。この数学モデルは、一般的には偏微分方程式で表されます。例えば、電磁気学の基礎であるマクスウェル方程式は、いくつかの連立偏微分方程式です。この方程式にはrot(ロ