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自分マガジン お薦め本

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私が読んで面白かった本を紹介します。ジャンルは様々です。世間に余り知られていないであろうマイナー本から、メジャーな本まであります。
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2022年2月の記事一覧

お勧めシリーズ本#5 『池袋ウエストゲートパーク』シリーズ

  『池袋ウエストゲートパーク』は、石田衣良さんの連作短編小説集シリーズです。 このシリーズは、ここで紹介する必要がないほど、有名なシリーズ本です。 略称はIWGP(=Ikebukuro West Gate Park)ですが、プロレス好きならIWGPが新日本プロレスが開催したIWGP(International Wrestling Grand Prix;国際レスリング大賞)リーグ戦の名称と同じ略称であることがすぐにわかります。 石田さんは、ひょっとするとプロレスファンなのかも

驚きの発想#1『重力への挑戦』

 小説は、ストーリーが面白くなければ印象に残りませんが、状況や主人公の設定自体が面白いと思った本が、結構あります。何回続くかわかりませんが、個人的に面白いと思った作品を少しづつ紹介したいと思います。  サイエンスフィクション(SF; 空想科学小説)は、それこそ発想が自由で、色々な状況や主人公が設定できます。しかし、ホモサピエンスであるSF作家は意外と保守的で、宇宙人(異星人)にもその保守性が色濃く残っています。確かに、多種多様な○○星人がいますが、バルタン星人やメトロン星人

お勧め”シリーズ本”#4 「ホミニッド」三部作

 私小説、 歴史小説、警察小説ときて、今回はSF小説です。これはSF三部作で、最初の作品『ホミニッド』というのは、ジャワ原人や北京原人などにつかわれている”原人”という意味です。人類は、 猿人⇒原人⇒旧人⇒新人という流れで進化しましたが、その中の原人のお話です。ただし、単純な原人の話ではなく、”ネアンデルタール人が生き残った並行宇宙の地球からやってきたネアンデルタール人”の話です。我々と違う宇宙では、ネアンデルタール人が進化の最終形態である”新人”です。  作者は、ロバー

お勧め”シリーズ本”#3 「刑事マルティン・ベック」シリーズ

 今回は、ちょっと渋めの警察小説を紹介します。マルティン・ベックは、マイ・シューヴァルとペール・ヴァールーの夫婦が合作した警察小説に登場する架空の警察官です。アメリカや日本でも、二人の合作によるミステリーはありますが、夫婦合作というのは大変珍しいと思います。また、この物語の舞台は、北欧スウェーデンの首都であるストックホルムです。  マルチン・ベックを主人公とした長編10冊からなるこのシリーズには、「犯罪の物語」というシリーズ名がつけられているそうです。このシリーズ本の邦題は

お勧め”シリーズ本”#2 『徳川家康』

 戦国時代の三英傑の一人・徳川家康は、知らない人がいない超有名な戦国武将です。これまた超有名な豊臣秀吉の死後、関ヶ原の戦いや大坂冬の陣&夏の陣で豊臣氏を滅ぼし、265年間も続く江戸幕府を開いた初代将軍です。  小説『徳川家康』は、歴史小説家の山岡荘八さんが書いた徳川家康が主人公の長編歴史小説です。元々は、新聞に連載された連載小説でしたが、その後18年かけて完成させた大河小説です。この本は、幅広い読者を獲得して、累計5000万部突破という戦後最大のベストセラーとなります。この

お勧め”シリーズ本”#1 『赤頭巾ちゃん気をつけて』

 ”赤頭巾”は、グリム童話などに収録されている有名な童話です。ストーリーの詳細は知らなくても、”赤頭巾”は知っているはずです。でも今ドキ、頭巾という言葉は死語で、ほとんど使われていません。頭巾で思い付く言葉は防空頭巾(今なら防災頭巾?)くらいです。  この赤頭巾をモチーフにした小説が、庄司薫さんの『赤頭巾ちゃん気をつけて』です。庄司さん(男性)は、この小説で1969年の芥川賞を受賞しています。本の中身は、読んでから楽しんでもらうことにして、時代背景だけを掻いつまんで説明しま