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いつの間にか忍び(SHINOBI)になったきっかけの話

普通の40代のサラリーマンがいつの間にか忍び、忍者になっていたきっかけを書いておこうと思う。

世の中がコロナ禍で閉塞していた2020年、私は東京タワー向いのビルの地下室に通っていた。

世の中は外出禁止、会社通勤もできずリモートワークをお互い探り探りしていた頃。飲食店も休業、仕事以外にやることと言えばネットサーフィンなどで悶々としていたのだろう。たまに体を動かすために続けていた合気道も道場はやっていたが非接触での練習となり、つまらなくなった。(合気道はお互いに技をかけあう掛かり稽古なので、組まないと体の動かし方もわからなくなることがあり、非常にツマラナイ。)

会社に行く機会も減ったので、その時間を使って新しいことをやりたい!という欲求が出てきた。ネットで近所の習い事や教室を色々調べていたところ、手裏剣教室なるものを見つけた。なんだこれ。近所と言っても歩いて20~25分くらいかかるのでまあまあな距離だったのであるが、運動不足も解消できるし、手裏剣なら非接触だし、申し込んでみた。

場所は東京タワー向かいの機械振興会館ビルの地下3階。初見殺しでとにかくあやしく、本当にここで大丈夫?という場所だった。エレベーターを降りて、見づらい看板をたどり、扉を開くとそこに道場があった。

忍びっぽい装束の袴の男性二人が迎えてくれる。ここで手裏剣を練習できるのだという。この時は2時間ほど打って(手裏剣は“投げる”のではなく“打つ”という)1,000円払ったが、これはまさしく非日常体験だった。

いわゆる十字手裏剣を打っているのであるが、最初はゴム手裏剣、そして本当に刃がついている本物の手裏剣を打たせてもらった。

ゴム手裏剣のニンジャトレーナー、最初の修行におすすめです。

ゴム手裏剣は正しい打ち方ができていないと刺さらなく、結構難しい。
手裏剣はマンガのように横に打たないこと、本当は十字手裏剣は忍びは投げていなかったなど、これまで常識だと思っていたことが異なることも教えてもらった。

つまるところ手裏剣は身体操作の妙を突き詰めるもので、点数を競ったりもする競技もあるが、自分の身体がいかに思い通りに動くか、動かないかを調整するものである、と気づいた。
だから手裏剣が思い通りに飛ばないと歯痒いし、思い描いた通りに手裏剣が的に刺さった時は、脳内麻薬が出る感じがするくらい気持ち良い。(実際何か出ているのだと思っている。)

この体験から私は忍びの沼にどんどんハマっていくのである・・・



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