見出し画像

iPad Pro 用 Magic Keyboard を買った

前回書いた通り iPad Pro を買った時に Magic Keyboard も買った。値は張るが非常に満足度の高い買い物だった。値段的に悩むところだと思うが、 iPad を買うなら一緒に買ったほうがよいと僕は思う。これまで自分が iPad を気軽に活用できていなかったのはこのパーツが足りていなかったんだな、という気づきが多くあった。

1ヶ月使ってみて気付いたことを書く。

対象製品

主な用途

iPad Proは 主に以下の3通りのシーンで利用している。なのでこの利用ケースにおける Magic Keyboard の使用感のレビュー、ということになる。

(1)充電スタンド兼コンテンツ表示
デスクトップモニタの脇に iPad Pro を置いた状態。 Home Pod mini と繋いでジュークボックス代わりに使ったり、動画を表示させたりウィジェットで予定や天気などを表示させる。

(2)タブレット操作
Magic Keyboard から外して iPad Pro だけ持ってソファでタブレット利用する。映画を見るなどで長時間位置を固定・保持したい場合は Magic Keyboard ごと持っていってスタンド利用する場合もある。

(3)サードプレイスでの入力作業
カフェなど出先でキーボードでのテキスト入力、 Apple Pencil Pro でのアナログ入力。僕は11インチ MacBook Air を愛用していた人間なのだが、モバイルデバイスであってもある程度の大きさを求める人は一定数いるので、ここは好みだろう。僕は性格的にカフェなどのサードプレイスでガバッと自分の持ち物を広げて場所を取るのが心理的に抵抗感があるタイプなので、最小限のこのサイズが好き。

上記の通り脇差のような使い方をしていて、デスクトップやノートPCを完全に代替するというような用途では使用していない。

iPad 遍歴

(1)iPad 初代、(2)iPad mini 2、(3)iPad Air 第4世代、(4)iPad mini 6、という使用歴。10インチ以上の iPad はこれまであまり使い倒してきたと言えず、割と腐ってしまって単なる動画表示用の据え置きデバイスになっていたケースが多かった。もっとも使っていたのは iPad mini で電子書籍(Kindle)を読むという使い道。

ここ最近、 iPad Air に Bluetooth キーボードを繋げて文字入力する使い方がうまくハマっていたので、今回 Magic Keyboard をあわせて購入した。

というユースケースで1ヶ月使用してみた感想。

気になるところ

トータルで非常によい買い物体験だったのだが、細かい気になるところもあるので、先にそこから書いていく。

USBコネクタの位置

ヒンジの奥まったところにあるので、コネクタの根本を持って抜き差しがややしづらい。ケーブルを引っ張ると断線しそうなので(純正の編み込み式のケーブルだと尚更だ)しっかりと根本を持ちたいのだが、やや持ちにくさを感じる。ここが MacBook のように MagSafe の磁力着脱だったら文句なかった。デバイスのサイズ的にも、まったく使用場所を動かさないという使用前提はナンセンスだと思うので、ここは着脱しやすくなるとより動かしやすくなってよいだろうと思う。

ヒンジ部分が上面・底面・iPad の3面の奥にあるので抜きづらい
(閉じれば多少マシになる)

キートップがテカリやすい

黒を使っているのだが、キートップの接触頻度が高い部分(スペースキー、エンターキーなど)は一瞬でテカる。けっこう目立つのでこまめに布で拭いてやる必要があるし、長く使うと表面が削れてきそうな予感はする。実物見ていないが白の方が目立たなかったりするのだろうか。手ベタベタ人間なのか? 俺?

1日使うとテカるのでこまめに掃除しよう

装着したままタブレット利用できない

SmartFolio のようにキーボードを iPad の裏側に回してタブレットモードにすることができない。ただ、パッと外して使いやすいし、自分の用途ではそれほど気にならなくなってきた。機構が複雑化して値段がさらにあがったり、壊れやすくなるぐらいならオミットしていい機能だとは思うが、一応購入時の比較で引っかかったポイントだったので。

値段が高すぎる

高すぎるよ

iPad の着脱時の重心バランスがやや不安

ピッタリとくっついていて安定しているのだが、あまりにも iPad 本体とピッタリとサイズが一致しすぎているので外周に一切遊びがなく、手がかけづらい。下の浮いている部分をもって着脱することになるのだが、上部に手をかけられず、やや着脱時の重心が悪く不安定さを感じる。位置的にも高さがあるため、手が滑ってゴトッと落としそうな不安がある。まぁでも形状として美しいし、代替案もないので、設計としては正しいだろう。注意して使おう。

公式画像より
この iPad 下方の浮いてるところを持って剥がします

外側の素材がちょっと汚れやすい

粉っぽい汚れがよく付いてしまう。レザー製があればよかった。なんかこう、純正カバーのゴムっぽい素材って、レザーと違って触ると手がガサつく感じがあるんだよな。ゴムゴムしい。あと、外装のカバー部分のみ交換可能だと心理的にも劣化への負担がないのだが。キーボード部よりも劣化しやすいだろうし。しかしまぁ、交換可能にすると交換機構が必要になり、高額化・重量増加すると思うので、要求とのバランスがいいんだろう。

トラックパッドの奥行きがちょっとだけ狭い

11インチだからかな? ほとんどの操作で問題にはならないのだが、ピンチイン・ピンチアウトだけははっきりと操作しづらさを感じ、これは1ヶ月経っても慣れなかった。まぁ iPad のモニタの方で操作してしまえばいいのだが、小さいストレスではある。

ファンクションキーのミュートアイコンがわかりにくい

すごく細かいのだが、パッと見てミュートボタンと音量の大小ボタンが区別しづらい。なので咄嗟にミュートしようとしたときにちょっと迷いが生ずる。ミュートアイコンにバッテンをつけてくれるとわかりやすくないですか。まぁいいか、それぐらいどっちでも……

左からミュート、音量下げ、音量上げ

いいところ

無接点充電のスタンドとして最高

購入の第一義であった、 iPad の無接点充電スタンドとしての使用感が非常によい。このおかげで iPad 本体のケーブル抜き差しをせずに充電可能になったため、気軽に外してちょっとソファにもっていく、みたいなことがしやすくなった。というか、今までは面倒くささが勝っていてそういう使い方をしようという気分になれなかったので、そういう使い方を新たにするようになった。
充電の話は別にしても、 iPad って一度モニタをオフにして平置きしてしまうと、本当に「このデバイス、今死んでます」って感じになってしまって、有効活用できていない感がすごい。また、ここから拾い上げて使うというのも億劫だ(ピッタリ机に貼り付いて寝ちゃって、起こしづらいし……)
Magic Keyboard がちょうどいい高さ・角度で iPad を保持し続けてくれるので、ちょっと予定をチェックしようとか、ちょっと外してもっていってまた戻そうとか、そういうことを簡単にやれるようになった。これが素晴らしい。

iPad 単体でも使おうという気になる設計

購入する前は、 仮にMagic Keyboard がすごくよかったとしたら、つけっぱなしになってしまうわけで、それなら MacBook を買った方がよかった……という結論になるのでは? という懸念があったのだが、前述の取り外しやすさなどタブレットとしても総合的に使いやすくなる設計なので、結果的に iPad 単体で使う時間と装着して使う時間帯が半々ぐらいになっている。これは本当に設計の勝利だと思う。この、気軽にちょっとコンテンツを消費しよう、なにかちょっと文字入力をしよう、という気軽さはノートPCでは実現できないので、しっかりと役割を持てている感触がある。
もちろん iPad 自体の薄型軽量化があっての総合力だとは思うが、今回は本当に使用感が閾値を超えてきた感がある。

ファンクションキーが便利

Magic Keyboard には2024年版から一列目にファンクションキー(音量操作や画面の明るさ操作、ロックボタンなど)がついたのだが、これが大層便利だ。もちろん画面上での操作もできるのだけど、やはり物理ボタンがあるというのは楽でいい。ちょっと音楽止めたいな、という時に便利。機能も断定的でいい。変にカスタムさせたりせず、このボタンがここにあるのがもっとも便利なんだ、という意思を感じる(そして本当に便利に感じる)こういうところが Apple 製品のいいところだ。

公式画像より

つくりがすごくしっかりしている

空中に iPad を固定する構造上、タイピングで揺れたり、逆に稼働部の関節がカチカチすぎて開閉しづらかったりするのでは、という不安があったが、動かしたい時はするする動き、固定しているときはピタッと止まってくれる。どういう原理なのこれ?ワンピースであったじゃないですか、よい剣は……使い手が斬りたい時はなんでも斬るけど、斬りたくない時は紙も斬らない、みたいなやつ。それ。

寸法がぴったり

サイズが本当に iPad とピッタリで、一体感が素晴らしい。当たり前と言えば当たり前だが、カメラの出っ張りにもピッタリカバーの穴がハマる。閉じた時は iPad とキーボードが重なって一冊の本のようになる。美しい。

モニタ位置がノートPCよりも手前にくる

ノートPCって構造上モニタを開くとドンドンモニタが自分より遠ざかっていってしまい、距離もできてしまうし空間を大きく占有してしまう。Magic Keyboard は iPad が空中に浮いているので、キーボードの奥ではなくキーボードの上でモニタが傾く。そのため空間を有効活用できる。ちょっとタッチ操作をしたい時にも iPad との距離が遠すぎないので効率的だ。

iPad Pro の AppleCare+ の対象になるらしい

今回初めて AppleCare+ を契約したのだが、どうやら iPad Pro の AppleCare+ に入ると Apple Pencil と Magic Keyboard も対象に含まれるらしい。つまり2年間であれば故障時に交換してもらえる(アクセサリのサービス料は3,700円とあるのでこれか)キートップやシリコン部の劣化がやや気になるのは上に書いた通りだが、この保証があるのでヘビーに使い倒してもまぁいいか、という気になる。

一応縦置きっぽく使えなくもない

まぁこれはおまけだが、iPad を外してキーボードの段差にひっかけて立てかけると一応縦置きっぽいスタンドにならなくもない。逆にこの方法以外では縦画面使用するスタイルが思いつかない(手に持つしかない)ので、縦画面でヘビーに使う人はちょっと使いづらいかもね。あんまり見栄えはよくないだろうが、縦の状態でもピタッと固定してくれると縦画面専用アプリをちょっと使いたい時とかに便利なような気もするのだが。

Apple Pencil を使う時に下敷きになる

Apple Pencil Pro を使うときは当然 iPad を外して机の上に平置きする必要があるのだが、はずした Magic Keyboard を閉じて、その上に iPad を置くとちょうどいい下敷きになる。もうちょっとスタイリッシュにやってくれないかなーと思っていたんだけど、意外と実用的でこれでいいやという気になってきた。卓状にベタ置きしてしまうと取り上げづらいし。

キーは小さいのにタイピングしやすい

端の方のキーは横幅が半分ぐらいのサイズで、最初に見たときはこれでタイピングできるかな、とギョッとしたのだが、使ってみるとまったく問題ないくタッチタイピングできた。おそらく、視覚的な認識のしやすさではなくて、キーの位置的にどうそこに辿り着くか(たとえばタブキーであればQキーの横、というような)さえ掴めれば大きさは問題にならないということなのではないか。
ストロークが浅めでタクタイル感のある、いわゆるモバイルキーボード的な打ち心地も悪くなく、ガシガシ打てる。

いい買い物だった

けっこう値が張る買い物だったので悩んだのだが、唯一無二の役割で活躍してくれているので、あわせて買って正解だった。たぶん iPad Pro 単体で買っていたらこれまでの iPad 同様に寝かせて腐ってしまっていた気がする。

iPad Pro + Magic Keyboard には言語化しづらいのだけど触りたくなる魅力があり、自宅でデスクトップ操作をしている時でも、ちょっとメモを打ち込むか、という気分になったときにこっちでタイピングしたりする。なんでだろうね。前回も書いたけど、よくできている超合金の合体ロボットをいじっているときのようで、触っているだけで楽しい。美しい、質感がいい、所有欲がある、というのは機能的には関係ない要素のはずなのだけど、手に取るモチベーションには大きく影響する。

ちょっと入力したくなる、つい触りたくなる、というもっとも大事なモチベーションの問題をクリアしてくれるので、これは単純なカタログスペックで測れない投資効果があった。

デスクトップや iPhone の利用シーンとは被らないが、iPad mini だけ相対的に利用シーンが減っている。ただ、 Kindle で電子書籍を読む場合はやはり iPad mini のサイズがベストで、これは iPad Pro で代替できない。Magic Keyboard 装着状態で漫画を読むのはまぁ読みやすいんだけど、やはり本はこう手に持って読むもの、みたいな感覚がある。

ちょっと重いのは重いけど、これどうなんだろうね? これより軽くなると安定性に欠けてくるだろうし、もしかしてベストウェイトなのか?

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?