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2023年夏 北海道利尻島&礼文島サイクリングと登山の旅(利尻島サイクリング編)

 利尻山に登った翌日のこの日は朝から雨模様で肌寒い1日になりました。ほぼ天気予報の通りです。サイクリング計画時点では、「青空と紺碧の海に囲まれ、御花畑に迎えられ、爽やかな涼風を浴びて走る周回サイクリング」を夢想していたのですが、結果は・・・。ありのままを簡潔にご紹介したいと思います。

利尻島一周ルート

 朝から雨。天気予報では10時ごろには雨雲が通り過ぎる見込みだというので、じっとテントの中で待った。前日の利尻山登山の影響で、筋肉痛、とりわけ両足のふくらはぎの筋肉の痛みがひどい。11時ごろ雨が止み、空が明るくなってきた。どうやら雨雲が通り過ぎた模様。出発の準備をして11時半に出発。迷ったが、時計回りを選んだ。キャンプ場からほんの少し下ったところから自転車専用道が始まっている。ここからかなりの高度を保って山の中を畝りながら道が続く。深く大きな谷を越える大橋、続いて中橋、小橋と渡って進む。この時、子犬のような小動物の姿が前方に現れてびっくりした。結局この小動物はなんだったのか、後で調べてみたものの最後まで分からずじまいだった。

大橋から眺める鴛泊の港

 自転車専用道は、しばらく山腹を走ってから一気に下って、海岸沿いの道路に合流し、そこから先は、島の周囲を巡る自動車道を走る。

 気温は涼しく少し肌寒い。利尻山はすっぽり雲に覆われている。鬼脇という地区に、食料雑貨店「ファミリーマート」(有名なチェーン店とは全く関係ないローカルなスーパーマーケット)があり、牛乳カステラと飲み物を買って、店の前のベンチで食べる。島の南部で唯一の「コンビニ」店だ。

 11時20分、幹線道路を少し外れて「白い恋人の丘」へ立ち寄る。ここから眺める利尻山は、利尻富士の名に劣らない絶景だった。これほどアルパイン風の美しい姿を眼前に見せる山は、国内で他にあるだろうかと思う。

白い恋人の丘から眺める利尻富士

 13時40分、オタトマリ(注)沼到着。昼食がわりに活きホタテ焼き、焼きツブ貝、すり身汁、イカ姿焼きを食べる。ここは島でいちばんの観光名所のようだ。大型観光バスが入れ代わり立ち代わり出入りする。
 ここオタトマリ沼は、白い恋人の丘からかなり下った場所にあるため、見上げる角度が大きく、槍の先のように尖った山頂、そこから切れ落ちる鋸の刃のような尾根がつくる山容は圧巻だ。

オタトマリ沼の先に聳える利尻富士

注:オタトマリ
 アイヌ語でオタ=砂+トマリ=入江。700年前にマグマの水蒸気爆発でできた。縄文時代後期から人が住んでいた(アイヌ)。明治時代になると、青森、秋田から出稼ぎ漁民が漁場を開拓。明治10年から秋田から多数の移住者がやってきて定着。

 2時半出発。雨が強くなり、雨具をつける。利尻山の姿が、走りながら刻々と変化していくのに驚く。

変化する山容(1)
変化する山容(2)
変化する山容(3)

ここで大半の観光バスが、反時計回りをしていることに気づく。何かルールのようなものがあるのかもしれない。沓形地区のセイコーマートに立ち寄り小休憩。この時点で4時。雨模様で肌寒く、薄暗くなりつつあった。4時に出発し、5時ちょうどに周回を終えて鴛泊着。キャンプ場に戻り、荷物を置いて夕飯を食べにフェリーターミナルのS食堂に向かう。18時半までやっている食堂なのに、18時前に着いた時にすでに店じまいを始めていた。利尻ラーメンを食べたかったのだが、4千5百円のウニ丼(※)しかないというので断念。直前にお店に入ったシニアの男性も諦めて出てきた。会話を交わすと「足元を見てるんだよ」と辛辣なお言葉。

 男性曰く:「今、礼文島から着いた。昨日は礼文島の北部の民宿に泊まって1万円ほどで山ほどの料理が出て堪能したかららもうそれだけで満足。お腹に余裕があるから今夜はなんでもいい」。

 仕方なく、唯一のコンビニであるセイコーマートに戻り、残っていたザンキ定食と副食を買って帰り、テントの中で夕食にする。その後、キャンプ場併設の温泉施設に行く。

 ツーリングの北大生(※)とここでまた逢って会話した;
※利尻島に渡るフェリーで出逢って以降、利尻山登山、、利尻島サイクリングと同様な日程で行動している

 「今日は悪天候の中、利尻山に登った。山頂で12時から2時ごろまで2時間も展望が効くのを待った。その甲斐があって、礼文島や、利尻島の街並みも眺められた。昨日は、好天の中、利尻島を自転車で一周した。(ちょうど私の場合と逆の選択をしたことになる)
名門北大山岳部は、今はたったの20名しか部員がいない。毎週末1、2泊でたいていが北海道内の山を登っている」

 という。山はもはや青春のロマンを満たしてくれる対象ではなくなっているのだろうか・・・

 結局、利尻島にきてから周回を終えるまで、一人もサイクリストと出会わなかった。季節を外しているのだろうか・・・

 なお後日分かったことだが、8月下旬に、200人ほどが参加する「利尻島一周ふれあいサイクリング」が開催されているようだ。

(※)どこまで本当かわからない「ウニ丼」談義

 周回サイクリング前日、利尻山下山時に出会ったそれぞれ単独のシニア登山者二人と私を含めて三人の談義;

 鴛泊港前にある、S食堂が有名。というか、他に食堂らしい食堂がない。
A)海鮮丼、とりわけウニ丼は、場所も場所だし、季節も季節だから食べたいと思っていた。
B)フェリーターミナル近くのS食堂のウニ丼が有名。行ってみた。ウニ丼1杯8千円だったよ。
A)C)えっ!(唖然)
B)でも「8」の字をよくみると「6」の字の上の部分が上書きされていて「8」になっているように見えた。
C) ネットで調べてみたら口コミで1年前は4500円だったようですよ。
A)大幅値上がりだよね。
C)不漁なのか、中国人客が戻ってきたからなのか・・・
B)どうしようかなあ。8千円じゃ考えるなあ。5千円なら(話のネタに)食べてみてもいいと思うんだけどなあ。

おわり

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