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「何も持ってないって最強やん。」

最近とある友達に「世界一周に行く」と報告したら言われた言葉。

家も持ってない。
車も持ってない。
結婚相手もいない。
子供もいない。

あとちょっとしたら職さえも無くなる。

私は文字通り”何も持ってない人”なのだ。
”何も持っていない”から世界一周に気軽で身軽に行けてしまうのだ。


その言葉を言った友達というのは中学校の同級生で数少ない男友達の一人である。
地元の友達だが仲良くなったのは25か26歳の時だった。

3クラスしかない田舎の中学校だが、3年間一度も同じクラスになったことがなく、お互い存在は知っているけど1回も話すことなく卒業し別々の進路へと進んだ。

連絡先は知らないけどFacebookでは繋がっている状態が何年も続いたある日、Facebookで誕生日メッセージが届いた。

カナダに住んでいた時だったので「世界飛び回ってるのかっこいいぞ!」みたいなメッセージだった気がする。
世界飛び回っているわけじゃなくてカナダにStayやけどな。と思いつつ、彼は整体院を営んでいたので、自営業してるのもかっこいいけどな!と返信した。

何故彼は一度も話したことのない私にメッセージを送ってきたのかというと、私が「変な人」と思ったかららしい。

いや、どんな理由やねん。

彼からすると、企業に努めていわゆるサラリーマンをしているのは「普通」らしい。

そんな人が多数いる中、彼を含め自営業をしている人や、海外留学している人、フリーランスの人、一般的に少数派の人間は「変な人」らしい。

生まれて初めて「変な人」認定された私は、その日から「変な人」の自我が芽生え始め、今では「変な人」と言われると嬉しくなってしまうような「変な人」になりつつある。

そんな「変な人」仲間の彼と先日電話をしていてタイトルの言葉を言われたのだが、その時までなんとなく世界一周に行く自分は周りからどう見られるのかを気にして生活していた。

私は世間からの目をめちゃくちゃ気にしてしまう自意識過剰な人間である。昔に比べると数百倍マシになったが、そんな性格が最近また顔を出してきてしまっていた。

だから世界一周をすると周りの人に伝える時も、枕詞で「ヤバイと思うねんけど・・・」とか、世界一周すると言った直後に食い気味で「ヤバイよなー」なんて言って「こいつ職無しで世界一周するなんてバカげてるし頭の中お花畑やろ、ヤバすぎ」と思われる前に、自分のことちゃんとヤバイって思ってますと伝えて、夢みがちガール認定されないようにしていた。

何もなくなる私を周りどう思うのか気にしてしまったけど、「何も持ってないって最強やん。」の一言で自分が肯定されたような感覚になった。
もう自分のことヤバイって思わず、そして引目も感じずに堂々とすればいいやん。

言葉の力ってすごい。

ただ、ありがたいことに「めっちゃいいやん」とか「最高じゃないですかー!」と言ってくれる人がほとんどで、私の心配事は杞憂に終わっているのだけど。

ただの自意識過剰の被害妄想であった。

あと数ヶ月で「変な人」に加えて「何も持っていない人」にもなる。
肩書きが増えたみたいで、悪くない。






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