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雑誌を買う。モノノメを読む。

久々のnote投稿。それよりも久々だったのが、定価での書籍購入。書籍というより、雑誌なのだけれど(違いもよくわからない)、多分雑誌なんて買ったのは遥か昔。いつ以来だろう。ということで久々なので、長文をしたためてみましょうか。

まずモノノメとは。

と、いつもならここでモノノメのリンク先を貼って済ますところ、なんとなく文章で書いておきたい。それほどにこのモノノメの雰囲気がよろしい。すごい熱量と表現していたヒトがいて、最初はそう思っていたけど、少し違和感を感じる。モノを考えているヒトが、きちんと考えて、きちんと届けた文章というところだろうか。熱量ってのは結局空回りしたり、金儲けに走ったり、方向性によっては悪にもなる。もちろん熱量は前提としても、この雑誌の良いところは安易な手段を取らずに手間暇かけたところな気がする。心意気を読む。そんな感じの雑誌。

どこかの誰か、宇野さん

編集は宇野さんという方らしい。確かどこかの動画で対談しているのを聞いたことがあっただろうか。正直どのようなことをしている人なのか、どのような人生を歩まれて、どのような思想を持つのかは知らない。ただ文人らしく、使う語彙が富んでいて、賢い人と思った記憶はある(失礼な話である)。

いつもならここで宇野さんについて調べるのだけど、やめとく。そこが本質じゃない気がするので。やはり雑誌の本質はやはり雑誌そのものの面白さ。最近特に思うのだけど、肩書とか、実績とか、それ自体はこれまでの成果の現れなんだろうけど、本質じゃない部分での評価が多すぎて辟易としている。

私にとって宇野さんはモノノメを作ったヒト。それで十分。

モノノメの中身

さて前段でだいぶ長くなった。ただ実を言うとまだ全体の1割も読んでない。ボリュームがすごいのだ。こんな文章書く暇あったら読んだらええやんというツッコミが出てきそうだが、それも含めてのこの雑誌。

雑誌に対しては色々な使い方、読み方があって然るべきではあるが、なんかいつでも手にとってパラパラとめくれる読み始めのハードルの低さが良い。私は今、いつでもモノノメを開くことができる。

ただ内容がない雑誌は嫌いだ。特にかっこばっか付けて、どこどこの服がおしゃれだとか、カフェがおいしいとか。もちろんファッション雑誌でかわいい、かっこいい服を紹介するのは良い。むしろそれが目的だ。でも、そうではない装飾だけのページで着飾った雑誌のなんと多いことか。そして半分を占める広告達。ということで、いつしか雑誌はコスパの悪いメディアということで、私の中で買わなくなった。10年以上も買っていないと思う。もしかしたらもっとかもしれない。

話が逸れた。何が言いたいかといえば、元来私は雑誌が好きだということ。読んで字のごとく、雑な誌面。様々な情報があれもこれもと載っている。これが通常書籍だと、一冊まるまる同じことについて書かれている。私はごはんだって様々なおかずを食べたい。本質的に人間は多様性を求める。一つの食材じゃ飽きてしまう。本を読むときも乱読派。最後まで読み終わる本なんて何冊もない。それでも良いじゃないかと思う。人生だって全てをやり遂げられることなんてないんだし。

そういった意味で各トピックにそれ相応のボリュームがあり、パラパラともめくれる。この体験は雑誌ならでは。素晴らしい。

これは持続可能なスタイルなのか。

下世話にもこの雑誌の収益が気になる。1冊3200円(多少バリエーションがある模様)。一冊の雑誌としては決して安い金額ではないが、書籍、雑誌が1000円、2000円で流通しているのは、部数を稼ぎ、広告を入れて、そして会社として他の売れ筋商品があって、それでそのような価格が実現するわけで、さて、このような非効率な形が果たしてペイするのか。

そこはビジネスにも精通した方々だろうから、赤の他人が気にすることでもないとは思うのだけど、結局これがビジネスの世界に巻き取られるのも見たくない。良いなと思っていた何かが、どうにも金儲け第一主義であったというのは今までに何度もあった。今回がそうではなかっただけに何とかして欲しい。

とはいえ、正直私の収入では定期購読するのは厳しい。図書館で読めるのなら、ぜひ近所の、場末の、閑散とした地方図書館にもおいて欲しい。

結論

今の自分にはドンピシャ。でも万人受けはしないだろうか。最近は世の中が自分の感性とは違う方にばかり行くので、この辺はわからない。少なくとも既に問題意識なりを持っている人じゃないと、この文章を読み解くのはしんどいかもしれない。

まぁ他人のことはどうだっていい。私は雑誌とはこうあるべきと思う。雑な思考が、雑多に、そこかしこに面白みが記述されている。なんか最近流行っている多様性って言葉より、雑って言葉のほうがしっくり来る。そして疲れた辺りできれいな写真なんかがすっと入ってくる。そんな感じが心地よい。

もちろん写真やグラフィックで華麗に着飾った雑誌もたまには良いけど、今やそれはインターネットの方が得意分野。だったら雑誌は少しSlowで、書籍ほどは専門分化していない良い感じの塩梅が欲しい

全く関係ないけど、実は最近私は移住しまして、転職したせいで、薄給になって、何かを買うときにかなり吟味するようになった。正直新しいガジェットも変えず、服は昔買ったものを着回し、外食もろくにできないのは窮屈ではあるけど、一つ一つのモノに対する解像度は各段に上がっている気がする。

まぁだからって貧乏を許容するつもりはないので誰か仕事ください。

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