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BIMは3DCADとは違う。情報の紐付けにこそ価値があるのではという話

BIM、Building Information Modelingの略なわけで、直訳すると建物の情報の単純化/抽象化/構造化、みたいな感じだと思うんですが、どうにも世の中的には建物の3D作成ソフトみたいに勘違いされているような気がします。

これが結構厄介で、これはBIMの前に3DCADみたいなソフトが間に噛んでしまっていることが問題を更に加速させたんじゃないかと思うですが、正直3Dモデルの美しさ、かっこよさなんて二の次で、どれだけモデルにきちんと建物情報が紐づけられているかの方が重要。

もちろん建物がキレイに見えると良いっていうのはうれしいことなんですが、その嬉しさはただで良いものが貰えた嬉しさであって、情報化とは関係ないような気がするんです。

「足が寒い」のと「寒い」は違う

足が寒くてもこもこブーツ買いに行ったのに、カッコ良くて暖かいジャケットもらっても問題は解決してないでしょってこと。でも嬉しいよねって、ただそれだけ。

でもなんかみんな「ジャケットで寒さは凌げてるからいいじゃない」、みたいな話を始めて結局ブーツすら買えずじまいというような状況が現在のBIM界隈でも起きている気がするわけです。足の寒さと普通の寒さって似て非なるもの。3Dモデルと情報一元管理も似て非なるもの。

2次元CADはアナログツール

AutoCADとかJWWとか、世の中にはCADソフトがゴロゴロしていて、それこそ建築だけでなくて、あらゆる分野で使われているんだけど、これがかなりのアナログツールだということに気づいてしまいました

これってそれまで手書きでやっていたことを単にComputerで出来るようにしただけなんですね。もちろんそんなん皆知ってるって話なのかもですが、私としては、もう少し色々とやってくれると思っていたんです。

まぁこれと同じなのがワープロという文字を打つソフト。Wordとかね。Wordも印刷前提の資料を作るときに使いますね。情報の整理、一元管理には向かない。それでもそれが画期的というのはわかります。私もこれだけの文章を手書きでって言われたら発狂します。

ただCADはワープロとはだいぶ違うと思っていて、それは図面が持っている情報が多すぎるってこと。だって家一軒分のあらゆる情報がそこに入ってしまっている。それなのに結局みんな印刷してファイリングして、製本するのが最終系というのは、数十年は世の中に残る建物に対する情報管理としては今の時代にそぐわないのではと思うわけです。

もちろん紙媒体それ自体は良くて、見やすいから現場において置くとか、手元に置いておくとかはいいんです。ただ過去のあの事例をみたいとか、何をどれだけ使ったのか確認したいって時に、どれだけ時間がかかるんだって話。

この辺の気持ち悪さがなかなか建築関係者の人と共有できない。まぁ建築っていうのはそういうもんって言われたらそうなのかもですが、世の中の技術とやっていることのギャップを埋めて、もう少し便利になるのではないかということに力を使っていければと思う今日この頃です。



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