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【大デザナレ展2023 出展レポート】DeNAのデザインナレッジを大公開!

こんにちは。DeNAデザイン本部の高橋です。

先日、デザイン本部として『大デザナレ展2023』に参加してきました。私はDeNA展示ブースの企画と、当日の運営を担当しました。

ここでは、そのときの模様をレポートしたいと思います。


「大デザナレ展」とは?

画像出展:大デザナレ展2023公式サイト(主催:株式会社ビビビット)

『大デザナレ展2023』は株式会社ビビビットが主催する、日本最大級の複合デザイン展です。2023年9月9日(土)、10日(日)の2日間にわたって、東京・新宿の住友不動産新宿グランドタワー27Fにて開催されました。

このイベントは、普段の仕事においてなかなか知見の共有が難しいデザインの"ブラックボックス"を解明し、各企業の活きたナレッジの共有を普及させるのが目的のイベントとなっており、今回は20のシンポジウム(登壇)と30の展示スペースが設けられ、各社の普段の業務のナレッジや最新のデザインのアウトプットなどが幅広く紹介されました。

大デザナレ展2023 公式サイト

デザイン本部にとっては、新型コロナウイルスの蔓延以後、初めての外部主催のオフラインイベントへの出展でしたが、今回、大デザナレ展への出展を決めたのは、「来場される幅広いデザイナーのみなさんとの交流・接点を持ちたかった」という理由からでした。

今回私たちは、イベントの1日目に参加。イベントはオープニングから大盛況で、デザイナーの方を中心に、エンジニアを始めとしたデザイナー以外の職種の方、学生の方などが幅広く来場していました。

展示ブースと登壇の紹介

デザイン本部は「展示ブース」と「シンポジウムへの登壇」に参加しました。
今回はデザナレ展に来場できなかった方へ向けて、内容を要約してお伝えできればと思います。

展示ブース

ブース全体の装飾は、Culture Deckのコンセプトでもある「未知の世界」を表現

展示ブースでは、デザイン本部のCulture Deckのコンセプトでもある「未知の世界」の世界観を表現しました。また、たくさんのデザイナーの方々との交流が生まれるようにという思いを込めて、ステッカーやカード、トートバックといったノベルティも制作しました。
(※Culture Deckとコンセプトついては、後ほどご紹介します!)

名刺サイズの紹介カード。裏面にはCulture DeckのQRコードを配置し、DeNAのデザインカルチャーがわかるようになっています
ステッカーは2種類制作。たくさんの方に受け取っていただけました
SNS(X)をフォローしてくれた方へのプレゼントとしてトートバックも用意。イベントが終わっても、普段の生活で使ってもらいたいという思いを込めて、デザインやロゴの配置を意識しました
多様なDeNAとデザインのアウトプットを表現した紹介パネル
デザイン本部の「ユニークな4つの特徴」は、視覚的にわかりやすく見てもらえるように、標識のような形で展示しました

ナレッジの展示

大デザナレ展のイベントビジョンでもある、「活きたナレッジの共有」。

今回私たちは、各サービスのデザインの開発現場で使っているデザインナレッジを展示。ドキュメントはFigmaに集約し、来場者の方が実際に触って、見られる形で展開しました。

ここからは、私たちがイベントで共有したナレッジの一部をご紹介します。また、この記事内では、当日の展示を一部加工した形で紹介させていただきます。予めご了承ください…!

①Culture Deck

「Culture Deck(カルチャーデック)」とは、DeNAのこれまでの事業と、その事業と共にあったデザインの変遷を、組織の成り立ちやアウトプットの視点を踏まえて明文化した、DeNAのデザインカルチャーを総合的にまとめたものです。

Culture Deckを作成した背景は、DeNAにデザイン組織が立ち上がって10年が経過した中で、これからもDeNAのミッションである「一人ひとりに想像を超えるDelight」を届けるために、これまでの道のりと積み重ねてきたデザインカルチャーを言語化し、社内・社外に共有する目的で制作しました。

ビジュアルコンセプトは「未知の世界」。デザイン本部がこれまで歩んできた道のりを振り返りつつ、これからも、まだ見ぬ世界へ果敢に挑もうとするデザイン集団を表現しています。

DeNAデザイン本部 Culture Deck(カルチャーデック)

②Pococha

「Pococha(ポコチャ)」は双方向コミュニケーションに特化したライブコミュニケーションアプリで、ライバー(配信者)とリスナー(視聴者)が一体となって配信を盛り上げます。この盛り上がりを支える「アイテム」に関する「アイテムの制作ガイドライン」と、「制作のフロー(色の規定、作業フロー、制作後のチェック方法などをまとめた資料)」を展示しました。

③Voice Pococha

「Voice Pococha(ボイスポコチャ)」は、声のみでライバーとリスナーを繋ぐ音声ライブ配信サービスです。Voice Pocochaでは、声のみの配信というサービスの特性上、サービス内のキャラクター(ボイポコフレンズ)たちが、配信の賑やかさや楽しさをよりサポートしています。

このボイポコフレンズには、ユーザー同士のコミュニケーションをより盛り上げる工夫として、それぞれの性格や特徴まで細かく設定されており、今回は、そのボイポコフレンズの「キャラクターガイドライン(サイズ・配色・性格や特徴の設定)」と「アイテム制作の指示書」を展示しました。

④kencom

「kencom(ケンコム)」は、「楽しみながら健康に」をテーマに、個人の健康増進をサポートするヘルスケアエンターテインメントアプリです。

DeNAは「エンターテインメント領域」と「社会課題領域」の2つの領域でサービスを展開していますが、kencomは社会課題領域のサービスでありつつも、サービスのテーマである「楽しみながら健康に」という体験を実現するために、デザインが重要な要素となっています。

そんなkencomからは今回、「デザイン言語」「ブランド」「プロダクト」「デザイントークン」「コミュニケーション」という5つの軸で定義されたデザインシステムを展示しました。

⑤IRIAM

「IRIAM(イリアム)」は、最新のAI技術により、キャラクターモデリング等の複雑な作業なく、1枚のイラストだけで簡単にVtuberのようにキャラになってライブ配信を行うことができる、新感覚Vtuberアプリです。

今回の展示では、ライバーが利用する「配信」と、リスナーが利用する「視聴」の各機能のUIデザインデータをそれぞれ展示しました。

UIデザインの全体像(左)、一部機能のUIイメージ(右)

⑥Anyca

最後にご紹介する「エニカ(Anyca)」は、ドライブをもっと楽しく、もっと自由に、車の移動がエンタメになることで"思い出を変える"というサービスコンセプトのもと、新型車や高級車を含む1100車種以上のクルマのシェア・レンタルが可能なカーシェア&レンタカーサービスです。

今回の展示では、実際のサービスのホーム画面など4パターンのUIデザインデータを展示しました。

UIデザインの全体像
一部機能のUIイメージ

シンポジウム(登壇)

イベントのシンポジウムでは、デザイン本部のプロダクトデザイナーの猪鼻セカンドル貴正が登壇。

「サービスデザインにおけるアンチパターン」をテーマに、自身が携わってきた「エニカ(Anyca)」のサービス開発における実例を紹介。

会場は満席で、立ち見で溢れるほど盛況でした。

ここからは、そのシンポジウムの登壇内容のポイントを要約してお伝えします。

サービスデザインにおけるアンチパターン

サービス開発においてのアンチパターンには多くの種類がありますが、今回取り上げるのは「①デザイナースキル(描く力)をUI作成段階まで温存すること」と、「②ターゲットを広く設定して多様なユースケースに対応しようとすること」の2点です。

①は、サービス開発の現場において、プロダクトマネージャー(PdM)やチームメンバーとの早い段階での議論が重要であり、この際に様々な視点が飛び交うミーティングを、(UI作成前から)デザイナーがその場で描く力を発揮しながら議論を可視化・整理する主体性が重要です。

②は、ターゲットが広すぎると、非効率的で使いづらいサービスができ上がってしまうリスクがあります。実例として、とあるサービス内の機能開発では、初めに作成したプロトタイプが非常に使いづらく、デザインの工数も高かったという状態でした。しかし、ユーザーインタビューによってコアターゲットの明確化と、それに基づく機能・仕様のシンプル化を行った結果、デザイン工数を最適化し、さらにサービスの価値と事業への貢献も向上させることができました。

まとめると、今回紹介したサービスデザインにおけるアンチパターンは、「UIデザイン前から描く力を発揮することで、(会話やスコープの)意思統一を図る」、「コアターゲットの解像度を上げて必要な仕様を検討する」というアクションを起こすことによって解消できます。

※余談ですが、セカさん(※猪鼻さんのニックネーム)は登壇前から「緊張する〜」と言っていましたが、とても落ち着いていて、全く緊張していたとは思えないプレゼンぶりが素敵でした…!

シンポジウムの内容が気になった方は、ぜひ以下の記事も合わせてお読みください。

ステークホルダーの頭の中を可視化して合意を作る。Anyca「クイック予約」機能のケース

みなさんから頂いた主な質問

今回のイベントでは、たくさんの方がブースへ来場いただき、みなさまから熱量高くスタッフにも色々と質問や相談をいただきました。その中で、来場者のみなさまから多かった質問についてこちらでもお答えします。

Q. デザイン本部とはどんな組織ですか?

A. DeNAの全社横断型デザイン組織で、「サービスデザイン部」「マーケティングデザイン部」「エクスペリエンス戦略室」「ブランドデザイン室」の4部門で構成されています。現在はデザイナーを中心に約80名が在籍しており、各自の強みやスキルを活かしながら事業にコミットして働いています。

※もっと詳しく知りたい方は、Culture Deckも合わせてお読みください!

Q. 事業会社で働いた経験がありませんが、大丈夫ですか?

A. はい。インターネット、Webサービスでのデザイン制作や開発経験があれば大丈夫ですし、制作会社から転職したデザイナーも多数、サービスデザイン領域で活躍しています。
Culture Deckでは、デザイン本部メンバーのキャリア事例も紹介していますので、合わせてお読みください!

Q. 育成やオンボーディングはどのように行っていますか?

A. デザイン本部の組織内で、新卒・中途両方のメンバーの育成やオンボーディングを推進するプロジェクトがあり、本部内のデザイナー同士が横串で連携しながら、様々な施策を通じたフォローやサポートを実行しています。

Q. デザイナーの働き方を教えてください。

A. デザイナーはPdMやプランナー、エンジニアといった各サービスのメンバーと連携し、上流(企画・設計)から開発に携わります。

なお、今回のイベント出展ブースも、イベントの企画担当が与件(目的やイベントの出展方針)を整理しつつ、マーケティングデザイン部に相談。

約1ヶ月弱という短い時間でしたが、その与件を踏まえて、ブース展示物や制作内容をデザイナーが企画・提案し、キックオフ当初のイメージから大きくクリエイティブジャンプして、今回のブース装飾の実現に至りました。

出展ブースの提案書とブースイメージ
ブースのデザインを担当した、マーケティングデザイン部のデザイナーのジョンと武藤

最後に

新型コロナウイルスが世界を揺るがせて以来、デザイン本部としては今回が初めての外部主催によるリアルイベントで不安もありましたが、デザイナーを始めとする来場された皆さんから発せられる熱量や情熱を、交流を通じて感じることができ、心から感謝しています。

今後も私たちデザイン本部は、こういったイベントを通じてデザイナーの皆さんとの交流を深め、共に成長していきたいと心より願っています。

お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。

そして最後に、DeNAデザイン本部では、一緒に「一人ひとりに想像を超えるDelight」を届ける一翼を担って頂けるデザイナーを募集しております!

ぜひ、以下のリンクをご確認頂けると幸いです。

キャリア採用募集職種一覧 | 株式会社ディー・エヌ・エー | DeNA

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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