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自分のスキルは無用とパーティー追放されたけど、隠してるお祓いスキルの魔力は無制限です。身軽になったので自由気ままに生きたいと思います。#10

主人公:エレナ(女子)お祓いスキルは無限大、普段能力を隠している。
           結果パーティーを追い出され自由の身。
           ルーナと強制的にパーティーを組むことに、、
 ドラゴン:メイ(性別不明)能力はエレナと連動しているようだ。
 聖女:ルーナ(女子)本当は大聖女エレナのことを良く知る。
 騎士:ソラ(男子)騎士見習いから騎士にエレナが好き、そこそこ強い。

聖女ルーナの目的#10

 まあ、普通なら大聖女はこんなところに来ないよな。

 本当の目的は古代遺跡探索でそれが本物のかを調べる。

 魔道具などのお宝探しあたりだと思う。

「お二人とも今回の探索は実は5回目になります」

 騎士ソラは不思議そうにして聞き返した。

「何回かダンジョンを探索するのは良くあることとお聞きしますが、何か問題でもあるのでしょうか」

 ソラの意見はもっともだ、いくつかのパーティーを派遣して調査するのは良くあることだし、この妖の森は定期的に王国により調査が行われているのは知られている。

 ソラは続けて話をした。

「戻ってきた調査の情報は聖女様はお持ちと考えて良いのでしょうか」

 ルーナは静かに首を横に振った。

「残念ながら、ご期待には応えられないのですなぜなら今回は誰1人として戻ってこられなかったからです」

 そういうことかそもそも情報が無いわけか。

「ルーナ、いつから調査を開始しているの」

 ルーナは答えた。

「騎士様は知らないと思うのでお話ししますね、聖女の中でも未来を予測する事が得意な方がいます、丁度2週間前に新しいダンジョンが誕生日した夢をその者たち全員が見たのです」

 私は口を開いた。

「全員が同じ夢を見たとなるとそれは神託ね」

 ルーナはニコニコしながら答えた。

「流石、エレナさんまさしく神託です、そしてすぐに調査団が編成されました」

ルーナの話を聞くと、2週間前で派遣した数は5人一組のパーティーが4組で生還者は今の所いない。

「まだ行方不明扱いなわけね」

 ルーナは頷く。

 流石にこれ以上の犠牲は厳しい、元冒険者をやっていた大聖女候補の2人と廉価版勇者の騎士とドラゴンでのパーティーには打って付けだったということか。

 私はついつい一言いってしまう。

「この王国は人材がいなさすぎ」

 ルーナは苦笑いしながら話す。

「いつの時代でもどんな世界でも人材には困っていますね、これに加えて上の方々は何を考えているか、考えが深いようでよくわかりません。」

 そんでもって人を育てるのは以上に下手くそときている。

 権力争いか、いつもいつも馬鹿が力を持つと苦労するのは下の人間だ。

「まぁ、私はお金が貰えるので問題ないけどね」

 騎士ソラはニコニコしながらなんの嫌味もなく話してくる。

「自分はお二人やメイと一緒に旅できて嬉しいです」

 ソラは本当にいいやつだな。

 ルーナは最後に一言付け加えた。

「教会も一枚岩では無いですから」

 大聖女様も苦労は絶えないわけだね。

 結局、今回の探索はダンジョンで行方不明になったひとの捜索とダンジョン内部の調査で決まりだね。

 翌朝、一通り準備を済ませて私達はダンジョンに向かった。

 ダンジョンの入り口付近には野営地とゴーレムの残骸が残されていた。

 入り口はつい最近作られたような新しい作りになっている。

 騎士ソラは周りの探索をすることを勧めてきた。

「流石にいきなり入り口から攻めるのはどうかと思いますので、周りの調査をするのは如何でしょうか」

 私は少し考えた後にルーナを見た。

「エレナさん、まさか…ソラさん私の傍に急いで」

 ソラは素早くルーナの傍で構える。

「プロテクション!絶対防壁」

 お、勘がいいのは良いことだ私はメイに指示を出すと久しぶりの天の声が流れる。

「ドラゴンバスターを使用します」
 
 あとは、凄まじい音と共にダンジョンの入り口目掛けて放つ。
 
 騎士ソラは悲鳴を上げる。

「ぎょえーーーー」

 普通の反応をどうもありがとう。

 入り口の前で防御魔法陣が展開された。

 そしてダンジョンの入り口付近で拡散したドラゴンブラスターは生い茂っていた木々は消し飛ばした。

「エレナさん、やり過ぎもここまで来ると一つの特技ですね」

 ルーナは軽く突っ込みを入れてくる。

 ソラはびっくりして質問してくる、もういい加減に慣れて欲しいのだがまぁ無理だよね。

「エレナ様、何でなんでダンジョン壊れないんですか」

 説明してあげることにした。

「まず、ダンジョンが普通のものか古代遺跡のものか確認する必要があるのは覚えていますよね、メイの魔法を防御できるとなると古代遺跡ぐらいしかありません、通常のダンジョンには防御魔法はありませんから」

 ソラはなんか納得した顔になり答えてきた。

「そういうことなら、最初に言ってくれればいいのに」

 ルーナは被せてきた。

「エレナさんはきっと私が止めると思ったのでしょう」

 そのどうりだ、絶対ルーナは私を止めるに決まっている。

 私は何事もなかったように話をした。

「ダンジョンの周りも綺麗になりましたし、魔法攻撃も効かないこともわかりました、さて騎士様の出番です扉を開けて下さい」

 魔法は効かないということは扉は人力で押すしかない。

 肉体労働が得意そうなソラにお願いをする。

「エレナ様、私にお任せ下さい」

 ルーナは気を利かせて伝える。

「騎士ソラ様、魔法も魔剣も禁止ですよ」

 空は悲しそうに呟いた。

「一応、聖剣なんだけどなぁ」

 ただキラキラした剣ではなかったんだね。
 
 扉の前で大きくため息をついたところにルーナの追い討ちが放たれる。

「さ、騎士様は押してください」

 可哀想にメイにも手伝わせよう。

「騎士様メイにも手伝わせますね」

 騎士ソラは嬉しそうにメイと扉の前に立った。

 押しても引いても扉は反応を示さない。

 色々、扉の前でやっていると天の声が聞こえた。

「個体名メイが鑑定を使用しました」

 天の声は続ける。

「聖女の解術で扉が開きます、使用しますか」

 ここは、ルーナに仕事をしてもらう。

「騎士様ストップ!ルーナ解術で開くわよ」

 ルーナは解術を使った。

 錫杖をドアに軽く当てて唱える。

「解術」

 空間が歪んだ、これは転送のトラップだ。

 結界が間に合わない。

 接続の札を放つ全員がバラバラになっても生きていれば意思疎通ができる。

 はー、真っ暗だ取り敢えず光が必要だね。

「ライティング」

 引き続きメイを召喚しようと思うのだが、結界が張られていて呼べない。

「まずは、状況を整理しよう」

 随分と広い廊下だなそもそもここはダンジョンの中のようだ。

 壁にはランプのようなものが掛かっている。

 触ってみると魔力を流す構造になっていて壁に触れて魔力を流してみると廊下は明るくなった。

 場所によって魔力は許容される作り現在地がわかる地図も壁に張り付いている。

 私の魔法壁に何かが当たり弾け吹き飛ばされた。

「ちっ、危ないなぁ」

 今のはヤバかった、弱いが私を守る結界は起動した。

 お約束のガーディアンゴーレムが重い魔導砲を放っていた、床が部分的に剥がれ地面が露出している。

「召喚、邪鬼」

 上手くいった召喚できた、そんなに重要な拠点ではないのだろう結界が解けている。

 カーディガンと邪鬼は肉弾戦を行っている、その隙にメイを召喚してみたが無理だった。

 この世界にはゴーレムといえば弱点が露出していると言われているのだが見えない、そんな時には思いっきり邪鬼にぶん殴ってもらうと呆気なく崩れ去った。

「弱いね、初めの重力砲だけで魔力を使い切ったのかな」

 どうもこの空間は違和感がある、床石の位置など微妙に違和感があり何かが違う。

 私は邪鬼を脇に立たせて壁と天井のつなぎ目に隙間に素早く小石を投げ入れた。

「ショット」

 壁が霧散した、石やレンガなら崩れるはずだ、ここの空間が魔力で作られている、ということと私自身の魔力を吸い取られている。

 正確には私達の魔力で作られている空間の可能性がある。

「邪鬼は消えないということは、魔力を使わない呪いや召喚は可能ということか」

 それならやりようもある。

 まず、私の魔力を封印する。

「邪鬼、地面掘って」

 邪鬼は何やら不思議そうな声をあげて、地面を掘り始めた。

 掘った岩はわざと壁にぶつけるように指示した。

 私からの魔力の供給がこの空間からなくなれば多少なりとも壁は脆くなるはずだ。

 しばらくすると壁や床が霧散していった。

 私の目の前にはかつて繁栄してたであろう巨大な街が広がっていた。

 そして明らかに何かあります訴えかけてくるタワーが聳え立っていた。

「あれが、ルーナの目的」

 私はそのに向かうことにした。

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