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不動産コンサルティングマスター試験合格を目指す方向けのデータ集&情報収集術

さあ、勉強をはじめよう

こんにちは、fujitaと申します。
私は不動産会社を経営していまして、2015年に宅地建物取引士、2021年度に不動産コンサルティングマスター(以下、不動産CM)と賃貸不動産経営管理士をW受験&合格した者です。

その際、不動産CMについての情報があまりに少ないので、のちに続く受験者も戸惑いがあるのではないか、と思い、勉強のやり方を伝授するnoteを書いてみました。 
※2022年度試験向けに記事を書いたのですが、2023年度の方向けにリライトしました。

Ⅰ.合格するための最低限

まず、過去問3年分は必ずやりましょう。択一はあまり過去問通りに出ないのですが、記述式は似た問題が多く、やった分だけ跳ね返ってきます。
なので、このnoteを読み込むよりもはるかに重要です。
正直、択一問題は出題範囲が広く、問題を絞り込めないのでかなり難しいです。記述式でしっかり点数とらないと合格できません。
ちなみに、自分は基礎的な知識が欲しかったので、不動産コンサルティング入門研修インターネット通信講座も受講しました。(1問1答が合格の近道)

過去問について言及した完全版記事はこちら

Ⅱ.合格することがゴールなのか?

本記事は、安心して合格したい!という方だけでなく、資格勉強を機に、仕事に活かせるような知識やデータベースを構築したい!という方向けに書きかれております。
勉強の基本は暗記なわけですが、データの収集術は今後の実務でも役にたつと思うので、参考にしてください。
 
ということで、張り切ってまいりましょう!

Ⅲ.データ集&情報収集術

⑴「GDP(国内総生産)」

GDPはその年の4-6月期が主に出題されます。
2021年度試験を参考にすると、
2020年 4-6月期 マイナス7.9%(前期比マイナス28.1%)
※2019年10-12月期、2020年1-3月期、4-6月期と3期連続マイナスという経緯の中、

2021年 4-6月期はプラス0.5%(前期比プラス1.9%)
⇒回復しつつあるが、いままでのマイナスを吸収しきれてはいない点に注目
※2020年7-9月期、10-12月期はプラスに跳ね返るも、2021年 1-3月期はまたマイナスに。

☆チェック項目☆
2023年9月発表の四半期別実質GDP(第二次速報4-6月)をチェック

ざっくり上記のような流れを文章にしてみましょう!
(プラスとマイナスが逆に暗記・理解していないか)

 
GDP関係は第一生命経済研究所のレポートがわかりやすいのでおすすめ
https://www.dlri.co.jp/summary/category/japan_econ.html

⑵「消費者物価指数」(総務省統計局)

2020年までの流れとしては、個人消費は大幅には増えていない。
食料品消費は増加しているが、エネルギー消費は増えていなかった。

☆チェック項目☆
2021年度はコロナの影響、2022年度は円安の影響で食料品・エネルギーともに前年同月比で10-20%上昇。
では、2023年度はどうなったのかをよく確認し、理解しておく。

https://www.stat.go.jp/data/cpi/1.html

⑶「世界経済の潮流」(内閣府発表)

FRBは政策金利を2019年7月から引き下げたが、2022年度は大幅な引き上げ。これが円安につながった。
2020年に中国経済は1-3期の実質GDPで大幅な下げ。欧米は4-6期で大幅な下げ。アメリカでは大量の失業者がでるも、5月以降にやや回復。
2021年は4-6期でアメリカのGDPはコロナ前水準を上回った。
倒産件数は低下。貯蓄は所得増と消費減により増加。

☆チェック項目☆
※2023年度版が発表されたら要確認。9月以降発表だと問題に反映されない可能性が高いので、その場合は2月発表分を確認。世界のコロナ禍の状況やウクライナ情勢でどのような景気になっているかが出題されそう。

世界の潮流
https://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html#chouryuu 

⑷「地価公示」(令和4年度)

2021年は、全体でみると、工業地以外は下落。地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)の住宅地の平均変動率は2.7%と8年連続の上昇。4市は商業地も3.1%と8年連続の上昇。
☆チェック項目☆
上記と比較して、2023年度は各エリア、土地用途ごとに、どう動いているのか文章にしてみましょう。

https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_fr4_000001_00071.html

⑸「土地白書」(2022年)

令和2年新設住宅着工戸数は約81.5 万戸であり、前年と比較すると9.9%の減少で、全ての圏域で減少となった。2年連続減少。
宿泊業用建築物も2年連続の減少。倉庫床面積はいずれも増加
東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)では、令和2年1-3 月期には空室率が1.5%となり、平成19 年以降最低を更新したが、その後、令和2年10-12 月期には4.3%と大きく上昇し、平成28年4-6 月期以来、4年振りに4.0%を超えた。平均賃料については、令和2年10-12 月期は、令和2年7-9 月期に比べ下落した。特異なのは、仙台市は空室率低下(平均賃料低下)。平均賃料は札幌市、福岡市は上昇。(空室率上昇)、店舗賃料は東京横浜以外では上昇している。

☆チェック項目☆
上記のように令和5年版(内容は令和4年の分析)を確認する。ざっくりオフィスの空室率や平均賃料のうごきを把握しておくと◎

 
土地白書
https://www.mlit.go.jp/statistics/file000006.html

⑹家計貯蓄率・黒字率

出題率は低いが、国全体の資金の流れを把握し、経済状況を理解するうえで重要。
総務省・家計調査の黒字率はこの10年で最も高い数値。
40歳代の純貯蓄は1990年から減少傾向にあり、2015年にはマイナスに転じたが、60歳以上は2000万円を超えた状況を維持している。

明確な資料がない場合はgoogle検索で色々データを漁ってみて下さい。
私はヤフコメを参考に内容を理解しました(笑)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210418-00231918

⑺リートの動向

年金基金はJリートより私募リートに投資して運用している。
不動産証券化を目的として取得された不動産や信託受益権は2年連続減少し、5兆円を下回る。
リートの主な投資対象は、オフィスが33%、住宅が13%、物流33%
令和1年度はホテルも19.3%だったが、令和2年度はコロナの影響で1.6%へ大幅下落。

2021年、Jリートは51銘柄22兆円の史上規模
リート等総額は2022年には30兆円を目指している。令和2年3月時点で25.5兆円

☆チェック項目☆
主に金額規模がどの程度で、国はどの規模まで成長させたいのかなど、また投資先の比率をなんとなく頭に入れておく。
最新版が更新されていないので、9月までに更新がなければ今年は出題されないかも?

国土交通省「不動産証券化の実態調査」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000209.html 

その他過去に出題されたもの

経済財政白書
例:2020年中国経済減退の影響で日本経済は輸出に大きなダメージ、など
https://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html
 
金融システムレポート(4月)
例:不動産業向け融資残高はバブル期越え史上最高112兆円へ、など
https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/index.htm/
 
新築マンション市場確認

例:近畿圏全体では供給戸数は落ちているが、京都の新築マンションのみは好調、など
https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion

Ⅳ.最後に

細かい数字を暗記するというよりは、前年と比べて増えているのか、減っているのか、また、複数年連続で好調なのか、不調なのか、また大きい流れの中で特異な地域はあるか、などをざっくりでいいので、正しく把握していることが大切です。

実務上でも、市況把握やお客さんとのコミュニケーションに活かせるので、上記リンクを参考に、たまに最新情報を調べるといいと思います。

私は会社経営者なので、毎年の事業計画を作る際にデータを引用して社員に説明したりしています。
 
不動産CMにチャレンジする方は、知識欲旺盛な方だと思いますので、せっかくなら実務に生かせるインプットを目指して頑張ってください!

参考になれば幸いです。応援しています。

fujita

過去問について言及した完全版記事はこちら

択一試験対策!実務でも使える一問一答集は下記の記事でどうぞ


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