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不動産コンサルティングマスター試験合格を目指す方向けの(実務でも使える)一問一答集

こんにちは、fujitaと申します。
私は不動産会社を経営していまして、2015年に宅地建物取引士、2021年度に不動産コンサルティングマスター(以下、不動産CM)と賃貸不動産経営管理士をW受験&合格した者です。
その際、不動産CMの勉強法があまりに少ないので、のちに続く受験者も戸惑いがあるのではないか、と思い、勉強している中で自分が躓いた箇所のメモを基に、一問一答集を作ってみました。
借地借家法19問、権利関係5問、相続19問、信託・後見14問、マイホーム特例9問、建物知識41問

あわせて珠玉の107問です。

Ⅰ.合格するための最低限

まず、過去問3年分は必ずやりましょう。択一はあまり過去問通りに出ないのですが、記述式は似た問題が多く、やった分だけ跳ね返ってきます。
正直、択一問題は出題範囲が広く、問題を絞り込めないのでかなり難しいです。記述式でしっかり点数とらないと合格できません。とはいえ、択一式は1問1答で鍛え、選択肢を絞り込んでいくのが合格の近道だと思うので、このnoteをご活用ください。

時事的な問題が毎年出題されるので、2023年度4月に施行される民法改正(所有者不明土地の利用・管理を行いやすくするため諸制度、共有制度・財産管理制度など、の見直し)は要チェックです。

Ⅱ.力試しにどうぞ

資格取得だけでなく、仕事に活かせるような知識をおさらいしたい、という方向けに記事を書きました。実務的にもたまに出てくる知識をベースにセレクトしていますので、力試しにどうぞ。
そのまま暗記しやすいように簡素な問題文にしてみたので、お役に立てたら幸いです!
不動産に関連するデータ集&情報収集術は下記の記事から!

ということで、張り切ってまいりましょう!

○×でお答えください

借地借家法

1、一般定期借地権は50年以上の設定となり、建物買取請求権を行使できない特約が可能である。
2、建物譲渡特約付き借地権を設定するには、20年以上の存続期間が必要である。
3、事業用定期借地権は公正証書にて20-50年の範囲で設定することが可能である。
4、事業用定期借地権で期間が30年未満の場合、再築による期間延長と建物買取請求権は当然に排除されている。
5、定期借家権において、200㎡未満の店舗の場合、やむを得ない場合は借主からの1か月前解約が可能である。
6、2003年以前の普通賃貸借契約においては、途中で定期借家権に切り替えることはできない。
7、底地権者と借地権者で共同売却する場合、借地権割合で価格割合を決定する。
8、底地と借地権を第三者へ共同売却する場合、借地人が払うべき譲渡承諾料分については考慮しない。
9、返還義務のない権利金については、底地権者は契約締結時に収入計上をし、借地権者も同様に契約締結時に損失計上をすることができる。
10、定期借地権が設定されている土地に相続が発生した場合は、定期借地権の残存期間の年数に応じた割合を乗じて、相続税評価額を計算する必要がある。
11、前払い地代は支払い年度に費用として一括計上してよい。
12、普通借地権は契約当初は最低30年、1回目の更新時は20年、2回目以降は10年となるが、これより長い期間を定めることもできる。
13、全額一括払いの前払い地代方式の場合、賃貸人は別途、保証金や権利金を受領することはできない。
14、賃貸住宅経営のため、事業用定期借地を設定することはできる。
15、定期借地権を設定した際に返還義務のない権利金を支払った借地権者は、その金額を資産計上したうえで、契約期間終了時に損失計上しなければならない。
16、地上権において、登記がなくても建物登記をしていれば第三者に対抗することができる。
17、前払い地代の未経過分は返金しない特約を設けた場合、前払い地代の要件を満たさなくなる。
18、法人が賃貸する借地権の権利金は資産計上しなければならない。
19、定期借家契約の場合、貸主からの契約満了の通知が遅れたとしても、当然に契約満了日に借主は明け渡ししなければならない。

権利関係

1、土地建物片方に抵当権が実行されて所有者が異なってしまった場合は、地上権が設定されたものとみなす。
2、抵当権者は抵当権を行使し、借主の賃料を差し押さえることができる。
3、建物や工作物の請負契約において、契約不適合責任によって解除が出来る。ただし、その場合でも発見した時から1年以内に解除しなければならない。
4、不動産価値や抵当権者を害するおそれがある場合、占有を排除し、抵当不動産を抵当権者に直接明け渡すことを請求できる
5、袋地の取得者は所有権移転登記をしなければ、囲んでいる土地の通行権を主張することは出来ない。

相続

1、2017年には、物納できる財産として、社債、株式、投資信託、貸付信託などのうち、上場されているもの等、一定のものが第一順位に引き上げられた。
2、3000万円特別控除を活用する際、解体更地売却の場合は取り壊してから1年以内に売買契約が必要となるため、親子間で売買をしても良いとされる。
3、居住用財産の配偶者への譲渡をした場合は1500万円の特別控除という制度を利用できる。
4、居住用不動産の配偶者控除を使う場合は、受贈年の翌年3月15日までの居住および引き続きの居住が必要となる。
5、兄弟姉妹は遺留分権利者にはならない。
6、遺言により5年間分割しない旨を定めた場合でも、相続人全員が合意すれば、遺産分割をすることができる。
7、相続などで財産を取得した時に外国に居住していて日本に住所がない人は、取得した財産のうち日本国内にある財産だけが相続税の課税対象になる。ただし、海外に住所を移していたとしても、10年以内に国内にいた場合は、国外資産も課税対象となる。
8、暦年贈与は相続前3年以内に行われたとしても、相続税の課税対象にならない。
9、配偶者居住権の価値算定をする際、建物の耐用年数を基準とし、利用想定年月については加味されない。
10、行方不明や生死不明では相続財産管理人の請求はできない。10年所在が明らかでなければ失踪宣告ができ、生存確認された最後の時から10年間が満了した時に死亡したとみなされ相続が開始される。
11、遺産分割においては、時価計算が基本だが、相続人らが納得していれば路線価や固定資産税評価額で分割することが可能である。
12、法定相続分以外の割合で債務を引き継ぐ際には、債権者の同意を事前に得ておかなくてはならない。
13、小規模宅地等の特例においては、特定事業用宅地の場合は500㎡まで、特定居住用宅地の場合は330㎡まで80%の評価減をすることが出来る。
14、小規模宅地等の特例において、貸付事業用宅地は200㎡まで80%評価減をすることが出来る。
15、相続税の基礎控除は相続を放棄した人がいても600万円×人数の中にいれて数えてよい。
16、小規模宅地等の特例は、贈与時でも使うことが出来る。
17、配偶者控除においては、2億円以下であれば相続税が0になる。
18、兄弟姉妹などの二親等相続人は相続税が二割加算(20%加算)となる
19、自筆証書遺言を書いた後に認知症になった場合、成年後見人がつけば、加筆修正される可能性はない。

信託・後見

1、信託契約においては、受託者が名義人となり、当然に固定資産税を負担する。
2、信託契約においては、受託者は当然に賃貸人になる。
3、信託契約においては、受託者は不動産取得税が非課税となり、委託者に戻すときは課税される。
4、信託受益権の譲渡を行う場合、受益者の変更登記申請は受託者単独ではできない。
5、賃貸中の土地建物に信託契約した場合、敷金返還請求権を含む賃貸人の地位は受託者に移転される
6、後見監督人(後見人の監督する人)は裁判所によって選定される。
7、共有物が不当に単独占有されている場合、1/2以上の持分を持つ者は共有物の明け渡し請求をすることができる。
8、共有物が使用貸借されている場合、持分の多寡にかかわらず、持ち分を持っていれば当然に解除できる。
9、信託においては、不動産取得税は非課税だが、委託者が死亡し、第三者が受益者になる場合はかかる
10、成年被後見人が死亡した時点で、成年後見人は相続財産の保存行為や債務弁済などを単独で行うことはできなくなる。
11、成年後見人による財産調査、目録作成は後見監督人の立会のもと、行う必要がある
12、任意後見人は家庭裁判所の許可がなくとも、任意後見契約内容に基づいた居住用不動産の売却ができる
13、契約の相手方は利害関係があれば、後見登記閲覧の請求ができる。
14、任意後見人は任意後見監督人選任後にはじめて効力を発揮する。

マイホームに関する特例関係

1、住宅ローン控除の条件として、取得してから6ヶ月以内に居住し、その年の12月31日まで居住することが要件となる。
2、住宅ローン控除を活用するには、物件の床面積が30㎡以上必要である。
3、住宅資金等の贈与税非課税枠を使うためには、翌年3月15日までに入居していなければならない。
4、検査済証のない建築物で用途変更や増改築を行う場合は、役所にて検査済証の代わりとなる適合状況調査報告書を発行してもらうことで対処することができる。
5、3000万円特別控除を更地売却で使う場合、解体から1年以内に契約し、3年経過する日が属する年の12/31までに引き渡しが必要となる。
6、5年超所有しているマイホーム(住宅ローンが残っている)を売却して売却損が出た場合、他の所得と損益通算が可能で、さらに3年間の繰越控除ができる。
7、事業用土地の買換え特例を利用したい場合は、譲渡した日が含まれる年の1月1日までに所有期間が10年を超えること、また300㎡以上の土地であることが主な要件となる。
8、事業用資産の買換え資産の取得期間はやむを得ない事情がある場合は2年以内とされ、譲渡価額から買換え資産の取得価格の80%相当額を控除し、そこから一定の経費を控除したものが課税される譲渡所得の金額とできる。
9、買換え特例を利用した際の買換え資産の取得日は、従前の資産の取得日となる。

建物知識

1、プレストレストコンクリートは、コンクリにあらかじめ圧縮を加えて引っ張り強度をあげておくことで、ひび割れ防止が期待できる。体育館などで活用される。
2、フラットスラブは、梁がなく、床スラブや屋根スラブが梁を兼ねる工法で、主に大空間が必要な工場倉庫に利用される。
3、鉄骨造では、トラス構造という鉄骨3角形を組み立てて構成するものがあり、トラス構造を立体的に組み合わせて大空間を構成するスペースフレーム構造はスポーツ施設や展示場などで主に使われる。
4、ガラスの共鳴透過効果を防ぐには、同じ厚さのガラスを組み合わせることが重要である。
5、避難経路においても、自動スプリンクラーと排煙設備を設ければ、内装制限を適用されない。
6、3階以上で31m以下までの階には非常用進入口または、所定の構造の窓その他の開口部を設置しなければならない。
7、劇場や病院は規模関係なく、2以上の直通階段が必要で、飲食店は一定規模以上で設置が必要となる。
8、500㎡以上の建物においては機械排煙方式を設置しなければならない。
9、界壁は準耐火構造の防火壁を天井裏まで施工しなければならない。
10、直結増圧給水方式・・・20階までの給水が可能で、水槽清掃や水質管理が不要になり、受水槽を撤去することで、スペースを有効活用できるという理由で、マンションなどの改修工事で採用される例も多い。
11、基本的に、用途変更する際には規模に関わらず、確認申請や届出、手続きが必要となる。
12、インスペクションをする際は、既存不適格か否か、や耐震性や省エネ性能などを判定する。
13、共鳴振動を抑え、遮音性を高めるため、中空の二重壁構造を設けることが推奨される。
14、単一材は集成材に比べて、スパンの確保や湾曲などに対応できる。
15、軸組図は内部の見えない部分まで詳細の納まりを表現されているので、床高の変更を伴う改修を含め、さまざまな改修を実施する場合に確認が必要となる。
16、矩計図(かなばかりず)は土台、柱、梁、筋交い等を把握できる。
17、一定規模以上の建築物の新築や増築を行う場合には、緑化推進のため、壁面や屋上も活用して敷地面積の25%の緑化確保が必要とされる。
18、太陽光発電設備と燃料電池設備などを設ける部分の床面積の合計は容積率に算入しないでよい。
19、特定防火対象物の検査報告は、消防庁に対して行う
20、屋外に設ける避難階段が直接道路に面していない場合、1.5m以上の敷地内通路を設けなければならない。
21、特定防火対象物には規模に応じてスプリンクラーを設置する。
22、用途変更時には、積載荷重の確認は不要である。
23、専ら車椅子用エレベーターを設置する場合、所管行政庁が認めれば、耐火構造とみなすことができる。
24、シーリングのサンプルを引っ張り、伸び率を調べる試験をダンベル物性試験という。
25、1.5メートルの擁壁を設置する場合は、確認申請を必要とする。
26、現在、高齢者や障碍者でも使えるユニバーサルデザインで建物や空間を設計することが求められている。
27、PMLとは、最大予想損失率といい、50年に10%の確率で起こるであろう最大地震が発生した場合の物的損害額の再調達価格に対する割合で表される。
28、結露防止のため、内壁に透湿性の大きい素材、断熱材の室内側に防湿層があるとよい
29、階数を減らすような設計変更をする際は、必ず確認申請が必要となる。
30、施工床面積は延床面積だけでなく、外廊下や外階段なども含まれる。
31、ボーリング調査で確認できる孔内水位は厳密な意味での地下水位ではないが、地表面に近いほど液状化や不同沈下が発生しやすいとされる。
32、鋼管圧入工法はすでに建設されている建物を水平に修復する際の工法である。
33、老人ホームの共用廊下、階段に供する部分の床面積については、その3分の1までは容積率の算定基礎となる延床面積に参入しないでよい。
34、建築物の用途を問わず、宅配ボックスは各階の床面積の合計に100分の1を乗じた面積が容積算入しなくてよい。
35、天井の高さを変更する場合に、排煙計算のやり直しはしなくともよい。
36、病室を持たないクリニックは異種用途区画に該当する。
37、道路斜線制限を計算する際、前面道路から1m以上高い場合は、1m差し引いて、さらに1/2をした数値の差としてみなすことが出来る。
38、壁面線による建築制限には、用途地域による違いはない。
39、境界線から1m未満の距離に隣地内を見通すことのできる窓やベランダを設置する場合、目隠しをつけなければならないが、その距離は、ベランダ等の最も隣地に近い点から垂直線で測定して算出する。
40、建物を建築する際は、原則として境界線から50センチの距離を保たなければならないが、異なる慣習がある場合はその慣習に従うとされるため、防火・準防火地域内において、外壁が耐火構造であった場合には、距離の規定は排除される。
41、乾式タイルは形状や肌合いに自然な風合いを感じる材質で外装に好まれる。内装の場合には、湿式成形タイルが採用されることが多い。


※問題の正誤には最善を尽くしておりますが、本記事を原因としたいかなる損害にも一切の責任を負いかねますので、それを前提に記事を活用していただき、疑義があればご自身でもよく調べて頂くことをおすすめいたします。
大変恐縮ですが、もし誤りがあれば教えて頂けると助かります。


マニアックな一問一答もご用意しました。

解答

借地借家法

1、〇
2、× 建物譲渡特約付き借地権を設定するには、30年以上の存続期間が必要である。
3、× 事業用定期借地権は公正証書にて10-50年の範囲で設定することが可能である。
4、〇
5、× 定期借家権において、200㎡未満の住宅では転勤など、やむを得ない場合は借主からの1か月前解約が可能である。
6、〇
7、× 底地権者と借地権者で共同売却する場合の割合は借地権割合ではなく、基本的には話し合いで決める。
8、× 底地と借地権を第三者へ共同売却する場合、借地人が払うべき譲渡承諾料分を控除して計算する場合が多い。
9、× 返還義務のない権利金については、底地権者は契約締結時に収入計上をし、借地権者は契約期間終了時に損失計上しなければならない。
10、〇
11、× 前払い地代は毎年年単位で計上しなければならない。
12、〇
13、× 全額一括払いの前払い地代方式でも、別途保証金や権利金を受領することは可能である。
14、× 賃貸住宅経営のために事業用定期借地を設定することはできない。
15、〇
16、〇
17、〇
18、〇
19、× 定期借家契約だとしても、貸主からの契約満了の通知が遅れれば、通知した日から6か月後の明け渡しとしなければならない。

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