ピーナッツくんはいつも「いつか来る終わり」を見てるんじゃないかって
ピーナッツくんというVtuberがいる。
Vtuberであり、アーティストであり、ゆるキャラでもある黄色い男の子。
知った風に書いてるが、私がピーナッツくんを知ったのは半年ほど前のことである。新参も新参だ。
とはいえ私はこの半年、ピーナッツくん(とぽんぽこちゃん)に狂い続けている。
Vtuberとしてのぽんぽこちゃんとピーナッツくんに狂ったオタクの発狂はこちら
今回の記事ではいくつか曲を上げながらアーティストとしてのピーナッツくんに狂ったオタクの鳴き声を書き連ねていく。
全てに「ピーナッツくん可愛い格好良いエモいチルいえぐ尊い」が含まれているがキリがないので書いてないことはご承知おきいただきたい。
ピーナッツくんが絞り出した愛すべき「澱」と「輝き」たち
めちゃくちゃ迷って厳選した。また別の機会に他の曲についても語りたい。
グミ超うめぇ
MV Release 2020.6.23
1st Album 「False Memory Syndrome」収録
ピーナッツくんが大好きなグミが「超美味い」ということをただひたすらに歌った曲である。
カラフルでレトロゲーム調のMVと、ピーナッツくんがキャッチーなフロウで歌い上げる「グミ超うめぇ」がクセになる1曲だ。
ところどころで使われているファンファーレっぽい音が心地よい。
オタクであればあるほど「グミは何かを暗喩してるのでは?」とか「グミは君を裏切らないよ」とかで考察をしたくなるものだが、
ピーナッツくんのことを知れば知るほどに本当にグミが超美味しいことだけを歌っている曲だとわかる。
消えていったグミの商品たちを心に刻み、グミ消費を促そうという気持ちにもきグッときてしまう。
私たちにもひとつはそういう商品があるはずだ(カールとかこんぶねりとか…)。
「くだらねーwけど確かにちょっと寂しいよね」
という気持ちがこの歌詞によって生まれる。
いやに明るいパートと少し不協になる通奏低音、音抜きの絶妙なバランスが曲全体に寂しくて空虚な爽快感を与えていると思う。
幽体離脱(feat.チャンチョ&ぽんぽこ)
LV Release 2020.6.30
1st Album 「False Memory Syndrome」収録
大好物なエモエモメロウの曲である。
夜の宇宙に取り残された孤独感と浮遊感を与えるグロッケンの音と、ぽんぽこちゃんの透明感のある素朴な声、チャンチョの抑えたウィスパーボイスが心地よい。夜道とかを歩きながら聞きたい。
時折聞こえてくる「んっ」という声も「ンガー」といういびきも全てがいい塩梅で好きだ。
アニメでよくある「zzz」をトリプルZと表すのも独特でセンスを感じずにはいられない。
歌詞も曲調も鼻の奥がツンとなるような切なさを孕んでいる。
寂しいような、哀しいような、
それをどうにも出来ない諦めのようなものにじわじわと締め付けられて、
どうしようもなく自分がひとりぼっちの小さな存在であることを自覚させられる。
この「君とぼく」には「チャンチョとピーナッツくん」、「ぽんぽこちゃんとピーナッツくん」、
そして「兄ぽことピーナッツくん」が当てはまると思っている。
「兄ぽこ」と「ピーナッツくん」は切っても切り離せない関係だが、どんな配信者、どんなコンテンツにもいつか終わりは来る。
『幽体離脱』の歌詞はそんな終わりを見据えて、
「ピーナッツくんはここにいる」と確信してるのに
「ピーナッツくんはいつか体から抜けてしまう」
と予感していて
「ピーナッツくんが消えても世界は回り続ける」
と悔しくなって
「君(ピーナッツくん/兄ぽこ)が消えたら誰が僕(兄ぽこ/ピーナッツくん)を起こしてくれるの?」
と悲しくなって、
「でもいつまでも覚えていてね」と約束する。
多分、我々リスナーの誰よりもピーナッツくんと兄ぽこは「終わり」を怖がっていて、
同時に「終わり」と向き合うことで常にその存在を忘れないようにもしているんじゃないか、と思っている。
ピーナッツくん vs やながみゆき - 未来NEXTメシ (prod. yanagamiyuki)
Release 2020.12.8 Single
2nd Album 「Tele倶楽部」収録
カオス・バーチャル・インターネット
打って変わってピーナッツくんと初音ミクが「自分のご主人様」に向かって痛烈なdisを繰り広げる曲。
MVがこれまた良くて
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜平成のインターネット!」
という感じだ。平成のインターネットがこういう風刺に使われるのは老人会としては寂しいやら感慨深いやら。
『幽体離脱』や『ピーナッツくんのおまじない』でご主人様(兄ぽこ)との関係を伺わせておきながらこうやって痛烈にdisるパンチラインを出したり、自己批判したりするところがピーナッツくんの仄暗さを感じてエモい。そしてそこをエモく思うリスナーに対してのdisも入ってるだろうなと思ってさらにエモい。興奮する。
他にもこういった自己批判、dis曲はあるが、この曲はなんと言ってもあの初音ミクと共演してるところに強い「バーチャル」を 感じる。
その上でその「バーチャル」を「所詮」と切り捨てていくところにピーナッツくんの「諸行無常」観というか、哲学みたいなものに触れられる気がする。
決して執着しない、本当に「所詮」だと思っていそうだ。
とにもかくにもこの曲は耳に入って心地が良い。MVと合わせて中毒性は高いと思う。
刀ピークリスマスのテーマソング2021
Release 2021.12.25 刀ピークリスマス2021
MV Release 2021.11.26
正直入れるか迷ったが、ピーナッツくんを語るには外せないと思いここに書き散らかす。
年に一度、クリスマスの日にはピーナッツくんが愛する剣持刀也(にじさんじ所属のVtuber)とピーナッツくんの生放送が行われる。
2021年で既に4回目だが、毎回ピーナッツくんからは剣持刀也へ向けてラブソングが送られる。
それぞれのリンクはここに置いておく。
※2018のみ公式のMVが無いため切り抜き
2018 2019 2020
この4作ともまーすごい。
センスの無駄遣い…ではなくむしろピーナッツくんのセンスを最大に発揮して爆発させてると言っても良い。
何がすごいって遊びがすごい。 ピーナッツくんのセンスを遊び方向に極振りしたのが刀ピークリスマスのテーマソングである。
クスッと笑えるネタもありつつも、毎年飽きられないようにちゃんとジャンルを変えて流行も採り入れてるというのも感じられる。
特に2021はリリックに込められた伏線がえげつない(散々色んなところで言われているのでここでは割愛)。
考察しがいのある曲はオタクからは人気が出る。わかってんなぁ…。
かなり自由に遊びを入れて作ってる感があるのにも関わらず、一度聞いたら耳から離れない中毒性も持ち合わせているため、要注意して欲しい。
刀ピークリスマスの曲はファンからも他Vtuberからも根強い人気があり、
一度聞けばピーナッツくんのセンスと歌詞のキモさに震撼すること必至だろう。
力也からは「きもいきもい」と連呼されるものの「曲はガチ」と認められているピーナッツくん、今年も愛が届けられるのを楽しみにしている。
Drippin' Life
MV Release 2020.7.15
1st Album 「False Memory Syndrome」収録
実はここまでピーナッツくんに対して「才能」という言葉を使わないように注意している。
ピーナッツくんには「才能」という言葉が失礼にあたると思えてしまうほどに泥臭い輝きがあるからだ。
その泥臭さの極致がこの曲である。
神曲をバンバン出す天才ピーナッツくん、この曲にはそんな姿はひとつも見当たらない。
ただただ苦悩して苦悩してその末に絞り出したものを曲にする、アーティストとして苦しむ姿のみが浮かんでくる。
そして「終わり」を意識させる歌詞も多い。
「死ぬまで」「急死」「走馬灯」
ピーナッツくんはいつも「終わり」を見つめて意識している。
その時が来るまで、ピーナッツくんは走り続けるんだろうけど、
「終わり」がきたらピーナッツくんは跡を残さずに突然居なくなってしまうのだろうか。
MVも豪邸で豪遊する(レンタカー可愛いね)若手ラッパーあるあるのMVだが、そこにいてもピーナッツくんは一人、孤独である。
MVの「終わり」まで含めて最高なので是非見届けて欲しい。
願わくは「終わり」を見据えたまま、その時を「いつか」のままにしておいて欲しいものだ。
KidsRoomMan(prod. nerdwitchkomugichan)
MV Release 2022.4.15
3rd Album 「Walk Through the Stars」収録
「子供部屋おじさん」という言葉は知っているだろうか?
その背景に浮かぶのは全てが醜悪な意図による個人への侮辱だが、ピーナッツくんはそれを逆手にとって昇華させている。
ピーナッツくんは己の創作の原点である「自分の部屋」を臆することなく曲にした。
ピーナッツくんが持つ底なしの全てを包み込む優しさが、何の憂いもなく発揮されている曲だと思う。
有名になった今でも「自分の部屋」で寝転がりながら、ぽんぽこちゃんと遊ぶことや、音楽のことを好きに考えているんだろうなと思うとそのノスタルジーに涙してしまう。
音楽としては、Cパートのピーナッツくんの高音の歌い上げが気持ちよくて最高に切なくて愛しい。
自分がどんな存在になっても「自分の部屋」なら包み込んでくれる。「自分の部屋」で世界を相手にしよう、そんなことを歌えるのはきっとピーナッツくんだけだ。
この曲は2022.6.1 Releaseの3rd Album 「Walk Through the Stars」に収録される。
ピーナッツくんは3rd Albumについて「初めて自分のために作ることができたアルバム」と語っているが、今公開されている『respawn』『Tamiflu』どれも優しい雰囲気の曲だ。
ピーナッツくんのことだから全く違う曲も入れてくると思うが、この3曲だけでもピーナッツくんの語っていることがわかるような気がする。
ちなみにリリースに合わせて東京と大阪でワンマンも決定している。もちろん抽選には申し込み済みだ。平日だけど休み取っていくぞ!
ピーナッツくんの仄暗い雰囲気にどうしても惹かれてしまう
Vtuberのときのテンション高めのピーナッツくんとは違って、ダウナーでドープな雰囲気の曲を生み出し続けるアーティストのピーナッツくん。
どちらもピーナッツくんの本質で、別に使い分けているという訳では無いと思うが
曲ににじみ出るピーナッツくんの仄暗い気持ち、諦めに似た優しさ、「終わり」を見つめる眼差しに共感を覚えてしまう。
「Youtubeとかで知った気になっちゃいけないんだぞ!」と言われそうだが、これは私個人がピーナッツくんに感じて、勝手にピーナッツくんに救われているだけのことである。
推しに思うこと(重い文章を書いた言い訳)
ここまでつらつら書いてきたが、私は「理想の〜」というものは推しに抱いていない。
変化や進化を目の当たりにできた時「やっぱ神やん」と思えるタイプの人間である。
だから、今後もピーナッツくんとぽんぽこちゃんはのびのびと活躍していって欲しいと思う。
前も書いたが、きっとぽこピーのことはずっと応援できると思うから。
「いつか来る終わり」を先延ばしにした末にたどり着く「その時」まで。
ワンマン当たれ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
Den
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