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(016) ひとつの本屋が終わり、そして、思った。

ときおり使っていた東京・調布の書原つつじヶ丘店が、2024年1月14日(日)をもって閉店した。書原最後の実店舗である。会社組織としての書原は続くらしい。

2017年2月19日、南阿佐ヶ谷の本店がクローズ。
同年9月24日仙川店が営業終了した。
2022年1月10日高井戸店にあたる広和書店、閉店。

書原という書店をこうやって時系列で追ってみると切なさ度が増してくる。
南阿佐ヶ谷店は記憶にある限り大昔に一回行ったきりで個人的にはそれほど思い入れはないのだけれども、テーマ別に並べた特殊で、ある意味雑多な並びにはものすごく胸がドキドキ脈打つ感じがした。


さて、ここ何年だか十何年だかの書店数の減少については有識者が述べており、私から言うことは何もない。言ったとしてもその劣化コピーにしかならない。

街の小さな書店がパタパタとシャッターを閉めていくのは社会の趨勢として仕方がない気がするし、一方でまだやれる手はある気もする。
いや、ないかな。
書店が完全になくなることはないだろうが、小さな本屋が生き残るのは、独自の立ち位置を示さねばならず、全ての店舗がそれをやるのは非現実的だ。


くだんの書原つつじヶ丘店は本のセレクトサービスや書店主催の読書会を催していた。

書原のサイトにある先代の言葉

「書店とは著者と読者をつなぐ空間であり、考える楽しみを提案する場所である」

「書原について」より

無責任を承知に言うなら、ここにある「著者と読者をつなぐ空間」はひとつの解になるかもしれない。下北沢の本屋B&Bのように、著者を呼んでのトークショーなど、書店をライブ空間・イベント空間にする。

または、書物が並んでいる空間はそれこそえる非日常の空間のはずだ。本好きにはアがる場所でもある。
(ブックホテルのような)書店お泊りサービス、撮影会など考えればできそうなことあるなぁ。

そうなると旧態の本屋とは言えなくなるが、そういう活かし方もあるなぁと思った次第。

未来の書店のアリカタを想像するのもおもしろいかもしれない。


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