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大人と責任からの逃避

 中学生の時、地球上のいろいろな問題を扱った。地球温暖化、戦争、政治…。習っていて思ったのは、どれも大人のせいだ、ということだった。
 私たちは、たまたまこのタイミングに、この地球に生まれたのに、責任を負わされるんだと思っていた。

 しかし、中3の秋頃、『故郷』を授業で扱ったとき、衝撃を受けた。
 主人公は結局、物事を正しく見れてはいないのではないかという思い。未来への希望を抱いているかのようにも見えるが、乗り越えられない壁がそこには描かれているように感じた。
 結局、この社会を変えるのは、この主人公ではない。その下の世代、その下の世代と繋いでいくしかないのかもしれない。

 大人のせいだと責任を大人に押しつけていた自分が、大人になってしまう。その事実が怖かった。私は、責任を背負う側になれるのだろうか。
 もしかしたら、今度は、きっと下の世代に君たちの時代だと言って、責任を押し付けるのではないか。

 自分は、結局、悪いのは自分ではないと、責任から逃れているだけなのだ。

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