失敗してもいい、という無責任

 教員としては働く中で、「失敗してもいい」「挑戦をしなさい」という言葉を生徒に投げかけることがある。実際、失敗から学ぶことも多い。若いうちに失敗をしておけるのは、年を重ねてから失敗するよりもダメージは少ない。

 しかし、「失敗してもいい」という言葉を使う時、同時に「立ち直り方」「挽回の仕方」を教えられているのか、自問自答している。
 生徒が失敗した時に、どうしたら良いか分からなくなって、失敗したままになったり、気持ちが沈んだままになったりしてしまうことが少なくないからだ。

 中学生の失敗や立ち直れないことは、長い人生の中では、糧になるかもしれない。しかし、それは大人側の言い分である。生徒たちからすれば、その時の失敗は、「失敗」というからには、大分な失敗なのである。

 客観的に自分の失敗を分析して、次に生かしていける。生かせずとも自己否定に陥らない気持ちの保ち方を習得する。大人でも難しいこれらを、難しいと分かっているからこそ、身につけて欲しい。
 しかし、大人でも難しいのである。挑戦して失敗した後、立ち直れるのか、そのサポートの体制が作れているのか…。

 部活動、生徒会活動、実行委員、発表、定期テスト…挑戦して失敗することも多い様々な出来事に生徒たちは向き合っている。
 挑戦した時に失敗させないようにする事ももちろん大切だが、積極的に失敗をしても大丈夫であることも大切にしていきたい。

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