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ランニング学会講習会で学んだランニング障害の話

ランニング学会認定ランニング指導員養成講習のスポーツ医学(整形外科系)を受講して学んだことを紹介する。講師は奈良教育大学の笠次良爾先生。とてもわかりやすい講義でディスカッションではコーチングについて次のようなことを語ったと思う。

選手はコーチのいうことを聞くのではなく、自分の体のことを考えて、自分で練習などを決めることができる選手を育成する教育を心がけている。自分で自分でコントロールできる人はめちゃくちゃカッコいいし、イチローさんや大谷選手のように素晴らしいパフォーマンスを発揮している。

笠次良爾先生の言葉を思い出した文章なので表現が多少違うと思う

これは僕の教育理念と同じ。「めちゃくちゃカッコいい」という言葉は、若い選手の心に響くと思った。

今回、新しく学んだことを次のとおり。

  •  ランニング障害の原因は走り過ぎ。予防するためには休む、休めない場合は早期発見して対応すること。障害は、小さな外力、負荷、小さな外傷により、少しずつ身体がダメージを受けることによる慢性のケガや故障のこと。

  • 障害の原因は内的要因(選手の体)、外的要因(シューズや路面)、負荷要因(練習・試合の負荷)に分けられる。

  • 障害の治療方法は練習量と強度を減らす。筋トレや柔軟性の向上。シューズを変える。安静にして症状が改善しない場合(2週間が目安)は整形外科医の診断を受ける。

  • 障害にならないため、 ぶれない安定した走行が大切。そのためには、股関節周りや体感をベンチなどの筋トレで鍛える。

  • ストレッチでは、大殿筋、中殿筋、腸腰筋、内転筋群、大腿四頭筋、ハムストリングなどの筋肉を伸ばす。

  • シューズはアウトソールの溝やミッドソールに皺が目立つようになったら交換する。

  • 負荷要因への対応。練習量は徐々に増やす。毎日、同じ練習をするのではなく強弱をつける。明らかに疲れているときは勇気をもって休む。ウォーミングアップ、クーリングダウン、ストレッチをする。

  • 身体は「器」という考え方。小さな器(身体)に水(練習)をたくさん入れても器に入りきらないでこぼれてしまう。トレーニングで身体が超回復して一回り大きな身体になったら、練習を増やす。

  • 練習日誌などを作り毎日コンディションをチェックする。

  •  練習では山と谷を作る。3日サイクル、3週サイクル、3か月サイクル、3年サイクル。「ゆっくり走れば速くなる」佐々木巧著がお勧め。

  • リカバリーにはアクティブ(軽運動、ストレッチ)とパッシブ(アイシング、温浴、マッサージ、睡眠、栄養補給、着圧ウェア)がある。着圧ウェアでリカバリーできることは知らなかった。調べてみるとSleep用と謳った製品もある。

  • 走る前は、ダイナミックストレッチングがお勧め。次の動画は笠次先生が所属されている奈良教育大学学校保健・スポーツ医学研究室の動画。

終わり

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