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リーンスタートアップ時代遅れとかじゃなくて、減衰振動的なイメージ

リーンスタートアップや、アジャイルといった文脈で、いきなり大きな計画を立てるよりも、とりあえずやってみるのが大事、的な話がある[ボトムアップ視点]

一方で、いやいやちゃんと長期のロードマップから落とし込まないと、という視点もある(VC調達などをしようとしたら、基本的にはこうなる)。最近はリーンスタートアップは時代遅れだよね、とする論も増えてきた印象もある。[トップダウン視点]

こうしたプロダクト開発を含む事業開発の進め方論において、個人的には、
1. 大きなビジョンを描く [トップダウン視点1]
2. とりあえずスモールコンポーネントを作ってみる [ボトムアップ視点1]
3. できたスモールコンポーネントを踏まえて、長期的な計画を描く [トップダウン視点2]
4. ある程度の塊のプロダクトを作ってみる [ボトムアップ視点2]
5. 計画の解像度を上げる[トップダウン視点3]

という進め方が解だと思う。減衰振動的なイメージ。

減衰振動のイメージ

メディア的には、「今はリーンスタートアップの時代だ!」とか「リーンスタートアップは時代遅れだ!」とかトレンド感を出したキャッチーなメッセージを出したいのだろうけど、そもそもこれって2元論で語るのが間違っていて、概ねこの減衰振動イメージは時代によって変わる話もでない気がする。(もちろん、数年前から技術的にアジャイルな開発を進めやすくなったのは確かだが)

結局、「やってみなきゃわからないことだらけだから、計画立ててもしかたなくない?」という視点と「行き当たりばったりでやっても、手戻るだけだから、ちゃんと計画建てないと」という視点の狭間なので、まずは最低限目指したい方向性/ビジョンを描いたうえで、徐々に2つの視点を行ったり来たりしながら解像度を上げていくというのが良いよね、というのが改めてスタートアップをやっていて感じる所。

自分がコンサル畑出自だからかもしれないけど、計画を建てることに問題があるとすると、「計画整理に時間をかけすぎて実行が進まないこと」が問題なのであって、「計画を建てること」自体に問題があるわけではもちろんないし、会社規模や事業特性に応じて、適切なリソース(時間)をかけて、計画を建てるということに尽きると思う。(弊社のようにまだまだシード期かつソフト系のディープテックであれば、然程時間かけずに計画立案してやりながら調整で良い一方で、重厚長大産業の大企業であれば、関係者間で認識齟齬がおきないレベルで丁寧な計画整理が必要になる)

最近そもそもあまりこの手の進め方の議論は見られなくなった気もするが、こういう視点を、異なる立場の人達(投資家・BizDev・エンジニア・etc.)が共通的に持てていると、要らぬすれ違いが防げるのでは、と思い言語化しておく次第。


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