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全身の健康を見つめる新たな視点 〜人間ドックにおけるオーラルヘルスチェックの導入を考える〜

全身の健康状態を判断する際、口腔内は重要なバロメーターとなり得る場所です。ところが、一般的な健診や人間ドックでは、現状ではこの口腔の健康に関するチェック、いわゆる「オーラルヘルスチェック」が行われていないのが実情です。これは医療の最前線において見過ごされてきた大きな可能性を指摘するもので、以下の理由により見直しをした方が良いと考えています。(なお、ここでは法律的な視点、規制・ガイドラインからの視点は無視して記述していますこと、お許し下さい。)

一つ目に、口腔内の健康は身体全体の健康状態と密接に関連しています。口腔内の状態は、心臓病や糖尿病などの全身疾患の初期兆候となることがあるだけでなく、加齢に伴う身体機能の低下、すなわち「老化」をも反映します。オーラルヘルスチェックの導入は、これら疾病の早期発見や老化の把握に寄与し、人生を満喫する「幸福寿命」を延ばすことに直結します。

二つ目に、人生を豊かに過ごすためには、美味しい食事を楽しむことが極めて重要であり、これには口腔の健康状態が不可欠です。この視点からも、健診や人間ドックでのオーラルヘルスチェックの導入は無視できない価値を持つでしょう。

三つ目に、オーラルヘルス関連産業は広範であり、健診や人間ドックの場で関連商品・サービスを提供することで、大きな経済的収益性を生み出す可能性があります。さらに、歯科医や歯科衛生士が人間ドックに参加することで、即座に的確なアドバイスを提供でき、健康改善の更なる推進に寄与します。

最後に、先端技術の進化により、歯(義歯やインプラント等)に生体センシング機能を持たせることが可能となりつつあります。これにより、『インプランタブル・ホスピタル』の実現に向けた一歩となり、クラウドと接続された「歯」により、これまでに無い新たなビジネスモデル創出にもつながります。

これらの要素を鑑みると、健診や人間ドックにオーラルヘルスチェックを導入することは、健康寿命の延長、医療の効率化、経済的な収益性の向上など、多方面にわたり有益であると考えています。

そろそろオーラルヘルスチェックの重要性を再認識し、健診や人間ドックの体制を見直すべき時期に来ていると考えています。


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