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国指定史跡・本佐倉城跡

平成15年から発掘調査が進められ、2017年に「続日本100名城」に選定されたことで整備が進んだ本佐倉城跡へ行く。クルマでほんの十数分、隣町の酒々井ということでついつい「後回し」になっていた。本佐倉城は北総台地に築かれた中世から近世の城郭で、千葉氏の最後の居城になった。江戸幕府が開かれた後も1615年までは本佐倉城が佐倉藩の藩庁だったが、一国一城令により廃城となり、その拠点は佐倉城に移された。

駐車場の前には案内所があり、話好きなおじいさんが出迎えてくれる。さすがに平日は人がいなくひまな様子。勧められるままに10数分のビデオを見る。門外漢にはありがたい。散策マップをいただき城内に入る。

模擬矢盾が出迎える。

始めに出迎えられるのは千葉氏の家紋を模したと思われる意匠の矢盾。「タイムスクープハンター」ならどこからか矢が飛んできて要潤が「危険です」とかレポートするが、そうはならない。

整備されたといっても、長らく放置されてきた山城だ。ちょっとした探検気分でなかなか楽しい。「あっちか、こっちか」とマップと照らし合わせながら進む。

城内へ分け入る。


ポイントごとに案内板が設けられている。

城内はいくつかの郭に区切られ、それぞれ城山(城主がいた空間)、奥ノ山(千葉氏の守護神妙見様を祀る)、倉跡などと記されている。アップダウンのある道がその間を結ぶ。

城山と呼ばれる城主の館跡。

足場がかなり悪く、けもの道以外の何物でもないだろうという箇所も多い。この方向でいいのか若干の不安とともに笹をかき分けながら行く。竹林に覆われた向こうは深くえぐられた空堀だったりするから気をつけねばならない。曲がりくねった道の随所に設けられていただろう柵や門などの建造物はマップでていねいに説明されているので、それを頼りに当時を想像する。

いくつかあった虎口(出入口)の一つ。

北側の東山虎口と呼ばれる通路から入ったところにある小高い山に登ると、関東平野の田園地帯が一望に見渡せる。かつては印旛沼の湿地帯だったこの場所は、天然の要害であるとともに、水運の要衝でもあった。

城址からの眺め。京成線が走り、遠く筑波山を望むこともできる。

城址のある台地は農家に囲まれ、静かな里山の風景が広がる。天気のいい日はこんなところを歩いてみるのもいいかも知れない。駐車場に戻ってくると、彼のおじいさんに「迷ってしまったかと思ったよ」と言われた。いや、あなたのように元気じゃないんで、あっちで休みこっちで休みしなければならないんですよ。

立派なガイドブックが作られている。散策マップは必携です。


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