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「お客様は、お姫様。」って。

いささか古い話だが、正月に「つば九郎一座」の新年公演で脱力してしまったので、帰途久々に京成のスカイライナー(イブニングライナー)に乗った。切符を買い指定された座席につくと目に飛び込んできたのは、前の座席の背もたれで王冠をかぶった京成王子とやらの「お客様は、お姫様。」のキャッチコピー。60年近い京成のヘビーユーザー(?)でありながら、全く知らなかった。中島健人というアイドルらしいがジジイには縁なき人故全く知らない。50分こいつと眼を合わせていなければならないのかと思うと、心が萎えた。「僕の心の特等席だよ。」ってちっともうれしくないわい。とブツブツ呟いていたら(心の中で)駅に着いてしまった。

この広告、2019年に発表されてもう4年目になるらしい。ずいぶん前に広告の現場から離れて、アンテナもたたんでしまったとはいえ寡聞にもほどがある。「あれ、ターゲットは女性だけ」という疑問には、公式動画がおっさんもお姫様だっこされてて(このおっさんの笑顔が気持ち悪い。あくまで個人の感想である)老若男女誰でも、をぬかりなくアピールのつもり。発表当初から女性ばかりではなく男性にもなかなか好評らしいのだ。おっさん、そんなに日頃干されているんかい。

王子のポーズとボディコピーは何パターンもあるらしく、この日座った座席の隣はこんな感じ。

ほんまかいな(なぜか関西弁)と思う。おっさんだっこが、安直な「ジェンダーレス、エイジレスのご時勢ですから」感にしか思えないのは私だけ? だいたいキャンペーン期間中のプレゼントが「ガラスのハイヒール」と来たもんだ。ホスピタリティの高さを訴えたいのだろうが、だったらそこは「お姫様」というチョイスでいいのか? 
スカイライナーはより早く、楽に目的地につくための「移動手段」だ。「気持ちよく、ほっといて」くれればそれでいい。お願いだから、せめて京成王子に語りかけられるのは勘弁してほしい。


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