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佐倉七福神めぐり

生まれてこの方「巡礼」というものとは縁がない。きっとこれからも縁がないと思っていたが、妻の御朱印集めにつきあって地元の七福神めぐりをすることになった。商工会議所のHPでは「佐倉は、歴史ロマン漂う史跡の多い町です。(中略)ゆっくりとウォーキングを兼ねて七福神めぐりにでかけませんか」とある。数ある巡礼の中でも最も気軽に行えるのが七福神めぐりのいいところ。商工会議所も「佐倉は坂の街です。脚力に自信のない方は、最初の寺社付近まは路線バスの利用を強くおすすめ致します」といたってやさしい。持病持ちゆえお言葉に甘えてクルマでコンビニエントに回らせていただく。まずは、自宅から歩いても10分弱の松林寺から。

松林寺(毘沙門天)

松林寺は浄土宗の寺院。質素な本堂は千葉県指定文化財。この日は軽トラックが入り樹々の手入れをされていた。声をかけると、忙しい中手を休めて本堂の扉を開けて内覧させていただけた。
松林寺は佐倉藩主土井利勝の開基による創建。利勝の両親および夫人の供養塔が建てられている。子供の頃は夏になるとカブトムシ・クワガタ採り、子供会の肝試しと朝に夜にお世話になったのだ。

妙隆寺(大黒天)

日蓮宗の寺院。1471年の開創と言われる。60年以上も佐倉に住んでいて訪れたことがなかった。手入れの行き届いた立派な庭がある。袋町という地区に向かって急坂を下りる手前の細道を入っていく。秋の祭礼で袋町のお神酒所(山車)がこの急坂を上り下りするのはなかなかワイルドで見応えがある。

甚大寺(毘沙門天)

天台宗の寺院。山形の藩主だった堀田正亮が佐倉藩への転封とともに移ってきた。金比羅権現が祀られていて、毎月10日には近隣一帯で縁日が開かれる。近在の農家などからお年寄りが大勢やってきてなかなかの盛況。
甚大寺には幕末の老中・堀田正睦らの墓があり、県の文化財に指定されている。すぐとなりは6年間をすごした小学校なのだ。

宗圓寺(寿老人)

臨済宗の寺院。甚大寺のすぐ近くにあり、こちらも堀田氏ゆかりの寺。御朱印は金比羅市が開かれる毎月10日にいただけるとの貼り紙がありこの日は扉も閉じられていた。本堂の裏には順天堂の創始者・佐藤泰然らの墓所がある。

嶺南寺(弁財天)

曹洞宗の寺院。宗圓寺の真向かいにあり、ここも堀田氏ゆかりの寺。甚大寺、宗圓寺、嶺南寺と徒歩2~3分のところに集まっている。本堂には閻魔大王、弁財天が安置されているとのことだが、ともに有形文化財でお目にかかれるのはご開帳の日だけ。

麻賀多神社(恵比寿・福禄寿)

佐倉藩総鎮守の神社。秋の例祭では何台もの御神酒所(山車)が囃子や踊り、かけ声とともに街を引き回される。ちなみに恵比寿様は疱瘡神社、福禄寿は三峯神社といずれも境内にある末社の神様。

大聖院(大黒天・布袋尊)

真言宗の寺院。武家屋敷のある通りの奥にある。やはり開山700年以上と古い。本堂は改装中で中を拝むことはできなかった。手入れの行き届いたきれいな庭園がある。すぐ近くにはひよどり坂という竹林の小径があり、コスプレの方々にも遭遇する。
大聖院の布袋様。おなかになぜか一円玉が5枚。

御朱印をいただきながら歩いて回れば半日くらいはかかるだろうところを、2時間で済ませてしまった。それにしても城下町佐倉は寺社の数も相当あるのだが、この7箇所はどういう基準で選ばれたのだろう。相変わらず地元の事は何も知らない。

見出しのイラストは「杉江慎介」さんの作品をお借りしました。ありがとうございます。

佐倉市商工会議所HPより。

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