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祭りのあとの桜がいい。

京成線の線路を隔てて南の市街地側に城址公園、北の印旛沼畔にチューリップ祭りが開かれるふるさと広場がある。城址公園にソメイヨシノが咲き誇っていた4月の初めまでとは車の流れもすっかり変わり、今の佐倉の渋滞のトレンドは北なのだ。

3年ぶりの賑わいをみせた桜まつりが終わって、いつもの兵どもの夢の跡が戻ってきた。主役だったソメイヨシノも新緑の樹に姿を変えて初夏のいでたちになっている。そんななかでそこかしこで目に入ってくるのが遅咲きのサクラ。一段と濃くなってきた緑にこれがまたいいアクセント。

フゲンゾウ。

フゲンゾウという札がかかった樹があった。普賢象と書く。花の中央から出ているめしべの先端が曲がっていて普賢菩薩が乗る白象の鼻に似ていることからきているらしい。しげしげと見てもよくわからない。

マツマエカザンイン。

マツマエカザンイン(松前花山院)は後陽成天皇の怒りをかって松前に流された公卿の名から来ているという。調べると天皇の女官と密通した罪によるらしい。そんなところだろうと思った下衆の勘繰りがそのまんま。

公園には約50品種、100本以上のサクラがあってそぞろ歩きを飽きさせない。ただし牧野富太郎的資質は皆無なので、風情だけを楽しんでいる。

左がムクノキ、右がエノキの似た者同士。葉の形状が若干違う。
まっすぐ進むと本丸、右に入ると三の丸跡。中央に見える石碑は来佐時に正岡子規が詠んだ句碑「常磐木や冬されまさる城の跡」


本丸跡では隅に小さなテントを設営して日長一日過ごす人、バトミントンに興じる人、さまざまな人が寛ぎにくる。みな静かにおだやかな春の日を過ごしている。広々とした本丸跡のサクラの下で、チェアーにもたれて談笑している人がいた。くれぐれもこの季節、ケムシにはお気をつけください。

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桜前線レポート

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