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佐倉藩総鎮守の本宮・奥宮へ初詣。

散歩のテリトリーでもある麻賀多神社は佐倉藩の総鎮守ということになっている。総鎮守というとなんだか偉そうだが、近隣に18社ある麻賀多神社の本宮はここではなく、隣の成田市にある。

60年ほど佐倉に住んでいるが一度も訪れたことがないので今年の初詣はその本宮に。こぢんまりとした境内だがなるほど趣がある。市街から遠く離れた里山にあるので近隣の人が中心だろうとタカをくくっていたら、どっこい長蛇の列が出来ている。コロナ明け(不思議な言葉だ)というのもあるのだろうか。それでも30分ほどで境内に入る。

社殿までは長い列が出来ていた。

賽銭で通り一遍の願い事はするが、心を清々しくしてくれる鬱蒼とした緑の空間こそがありがたい。この神社には樹齢1300年余という東日本一の大杉があり、千葉県の指定記念樹第一号に指定されている。こうして時折は大樹を見上げるというのは、けっこう大切なことのような気がする。

木道で一回りできるようになっている。

車で数分のところに奥宮があるというので行ってみる。本宮ほどではないが、ちらほらと参拝客もいる。麻賀多神社というのは平安時代の「延喜式」にその名があり、先の本宮は稚産霊(わかむすび)神を、奥宮は稚日霊(わかひるめ)神を祀っているという。

奥宮の鳥居。
奥宮にも大杉の神木がある。

この奥宮のとなりには小高い丘があり「先代旧事本紀」による印波(いんば)国造伊都許利命(いつこりのみこと)の墳墓と伝えられている。この伊都許利命というお方が4世紀に国造として殖産農耕を振興し、麻賀多神社を創建したというのが始まりらしい。家から車でほんの30分ほどでこんなところがあるなんて、郷土のことなんて知らないことだらけなのだ。

古墳の上には伊都許利命の墓碑がある。

家に帰り一息つくや否や緊急地震速報が鳴り、能登半島の大地震を知ってお屠蘇気分が一気に吹き飛ぶ。そんなものはいつ吹っ飛んでも一向にかまわないのだが、よりによってこんな新しい年の始まりになろうとは。
被災地の冬はここ千葉とは比べもににならない厳しさだ。その冬はこれからが本番だと思うだけで心が痛む。「暮らし」を立て直すということは、ただそれだけでも大変なのだ。

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