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上総国一宮・玉前神社と静岡おでん。

御朱印集めの妻の随行、この日は上総国一宮の玉前神社へ。一宮町の町中にあって境内は決して広くない。祭神は玉依姫命(たまよりひめのみこと)といい子授けや縁結びの神様だが、平日とあって参拝者は中高年が多い。永禄年間に戦火で社殿や古文書が焼け創建年代はわからないらしい。現在の社殿は江戸時代のもので千葉県指定文化財になっている。

貞享4年(1687年)造営の本殿。

早速御朱印をいただきに行った妻を待つ間、境内をきょろきょろ。本殿の向かって右手に神楽殿がある。ここで年7回奉納されるという神楽は上総神楽といい、県の無形民俗文化財になっている。元旦に奉納されて次の奉納は4月の春季祭になるらしい。

神楽殿。

左手に回っていくと「はだしの道」というのがある。盛り土をした小山の周囲に玉砂利が敷かれていて裸足で回る。一周で無垢となり二周で気を入れ三周で気を満たすと書かれている。痛そうなので妻のみトライ。感想は「気持ちよかった。足が軽くなったみたい」とのこと。そうであろう、と夫は気が抜けたまま答える。

はだしの道。

ふと見ると、身体中おみくじに絡め取られた龍がいた。これでは空を翔ることも出来なそうだがもう任務は終えたのだろうか。

おみくじだらけの龍。

巫女さんが「神饌」らしきものを持って本殿に入っていった。ちょっと儀式の次第を眺めてみたくなる。こちらは一休みをかねて軽く「ひるめし」なのだ。去り際に梅が咲き始めているのを発見。

梅が咲き始めていた。

大鳥居のすぐ前にある古い蔵造りの「赤七屋」という店に入る。ここの名物は静岡おでん。牛すじを使っただしと濃い口の醤油で味付けしていて、具材は串に刺して供される。駿河地方の人にはソウルフードのようなものらしい。特徴的な具材は黒はんぺんでお店の人もおすすめ。先の朝ドラ「らんまん」で藤丸が沼津土産といって持ってきた、アレである。見ていない人には何のことやらわからない。辛子の他、青のりや魚のだし粉をかけるのだが、初めての静岡おでんは美味かった。おでんに塩むすび、暖かいドリンクでこれが小さいけれど確かな幸せというものなのだ。

左が黒はんぺん。具材はメニューから選べる。このあと牛すじと大根を追加。
後ろを振り向いたらレトロなラジオと、にゃん(の置物)。

ここの名物はおでんの他にかき氷、焼き芋というのがある。おでんとかき氷の同時食いというのを静岡の人はするそうなのだが、ホンマでっか?このポカポカした腹はそのままにしたいので、かき氷はまたの機会に。となりの和菓子屋さんがこれまた江戸時代からの老舗ということで、おやつを求めに入る。

明治中期に建てられた店蔵を利用。大正期には燃料屋を営んでいたようだ。
「赤七屋」さんの外観。
「弘化四年(江戸末期)京都嵯峨御所御墨付」とある和菓子店「かね吉」さん。

せっかく来たのだからと海岸に出て海を眺めて帰途につく。メッカだけあって真冬のサーファーたちが大勢いる。「真冬のサーファーはまるでカラスの群れのようさ。灰色の風しょって空へ漕いでゆく」ユーミンの歌そのままの景色。

スマホではここまで。


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