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千葉市都市緑化植物園で空を見る。

雨天強風寒の戻りもしっかりあった今年の3月。久しぶりに手順を踏んで春がやってきた感じ。桜まつりを思いっきり前倒しした自治体の方々はさぞ大変だったことと思うものの、こればかりは致し方がない。

こんな天気は何日ぶりという穏やかに晴れた日に訪れたのは千葉市都市緑化植物園というところ。都市緑化に関する知識の啓発や普及を図る拠点として展示会や講習会、イベントを行うとともに山野草や樹木など多くの植物を植栽して無料で開放している。コンビニでおにぎりを買っていく。外で食べるものは1.5倍美味くなると脳に記憶されている。

管理棟には図書室や講習室のほか、草木の工芸品や絵はがきなどを展示。ハーブの販売もある。迎えてくれたのは「森の第九大合唱」。
竹林。風のささやきが聞こえてくる。マックイーンに近づくフェイ・ダナウェイはいない。
この風景を前におにぎりを頬張る。背中が太陽にあたためられて至福の時間。
メタセコイアの道。葉はまだこれから。
ボケの花が見頃。果実が瓜に似ていることで呼ばれていた「木瓜(もけ)」が転化して「ボケ」になったらしい。さまざまな薬効もあって決してボケてはいない。
ヒンドゥー教における聖なる樹・ヒマラヤスギ。
トチノキの道。立派なウロがいくつもある。誰か住んでいないのかな。「ツヨシ、出てきなさい」
ユーカリ。その種類は600種以上あるらしいがコアラが食べるのは40種類ほど、しかも新芽ばかり。焼きそばから千切りにしたピーマンをつまみ出すくらいかわいいもんじゃないか。
左がニシキモクレン、右がサラサレンゲというらしい。違いのわからない男。
スダジイ。菅田爺ではない。要するにシイノキ。
モミジハスズカケノキ。「鈴懸の径」はそもそも「マロニエの径」として作詞されたがセンチメンタルな歌詞だったので検閲に通らなかったらしい。「マロニエ」はどんな歌詞だったんだろう。
ラクウショウ。鳥の羽根に見立てられた2列の枝が秋に落ちることから「落羽松」
季節を待っているバラのトンネル。

小一時間で散策できるところを三時間もかけて迷走する。つぶさに見ていくとたくさんの季節の草花があるのだが何だか大きな木ばかりを撮っている。いや、木にかこつけて空を見ているんだとすぐに気づく。あっぱれ100%の青空よりも気持ちのいい黄金比の空。

空の青さをみつめていると
私に帰るところがあるような気がする
だが雲を通ってきた明るさは
もはや空へは帰ってゆかない
陽は絶えず豪華に捨てている
夜になっても私達は拾うのに忙しい
人はすべていやしい生れなので
樹のように豊かに休むことがない

谷川俊太郎「六十二のソネット」より

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