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『認知症の「真実」』を読んで。〜コウノメソッドとの出会い〜

みなさん、こんばんは。前回のnoteから日が空いてしまいましたが、ご覧いただきありがとうございます。

今回は、私の最近読んだ『認知症の「真実」』という本をご紹介いたします。本の内容は、著作権の関係であまり詳しく書けません、ぜひ読んでみていただきたい一冊です!また、著書内で出会った、コウノメソッドについてもご紹介したいと思います!!


はじめに

私は中学生の時に、卒業研究を行う機会があり、「日本ではなぜ認知症患者が増えているのか」というテーマで調べを進めました。この本には私のなぜ?に対する答えが書かれていたような気がします。私が、自身のテーマに対して立てた仮説は「治療薬の作成困難であること」と「睡眠時間の減少」でした。

  • 治療薬が作成困難であること
    現在日本で、進行を遅らせる薬はあっても、完治できる薬がないこと。また、卒業研究をしていた頃、アルツハイマー病の治療に用いられる医薬品のアデュカヌマブの治験が打ち切りになったこと。などの理由から、治療薬が作成困難であると考えました。

  • 睡眠時間の減少                          アルツハイマー病の原因の一つであるアミロイドβの蓄積は睡眠をとることによって排出されるので睡眠時間の減少は、認知症のリスクを高めることが分かります。と同時に、日本人の平均睡眠時間は年齢と共に短くなり、リスクが高まっています。よって、睡眠時間の減少は認知症患者数の増加に関連していると考えました。


『認知症の「真実」』を読んでみて

「なぜ日本では認知症患者が増えているのか」という疑問に対する『認知症の「真実」』から読み取れる回答、それは、、、

→日本で行われたキャンペーンが拡大したから。という回答でした。
・アリセプトやレミニールなどの認知症の薬が出てから、医者も診断が積極的になった。
「認知症サポーター養成」「早期発見、早期診断、早期受診が重要」などの厚生労働省によるキャンペーン。
これら、国のキャンペーンが拡大したことによって、患者や医者の認知症の診察、診断が積極的になり、認知症患者数も増加したということです。

確かに、2002年の認知症高齢者が6.3%だったのが、キャンペーン後の2012年には9.5%、さらには2013年には15%と、急激に認知症患者が増えたのは、キャンペーンが拡大したからだと思います。しかし、2012年以降、キャンペーンが浸透してもなお、持続して増加し続けています。私は、増え続けるのは、自身の立てた「認知症の治療薬が作成困難であること」と「睡眠時間が減少していること」の二つの仮説が要因であると信じています。



国内で行われたキャンペーンの拡大により、医者による認知症の診断も積極的に行われるようになりました。しかし、多くの医者は画像診断から認知症を引き起こす病気を特定し、それに沿った薬を提供する、といったマニュアル化した診察を行いました。

そんな中、大きな役割を果たしたのがコウノメソッドです。

コウノメソッドとは?

コウノメソッド(Kono method)は、陽性症状の強い認知症でも家庭介護が続けられるように薬剤を処方することを最優先として、認知症の行動・心理症状(BPSD Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)を、陽性症状、陰性症状、および中間証に分類し、それぞれに最も適した薬剤を極力少ない副作用で処方する、認知症を治療する対処療法・薬物療法マニュアルです。

認知症治療法サイト「コウノメソッド」より

マニュアル化した診断は、認知症患者はもちろんその介護者にも負担がかかります。前回の投稿にも載せましたが、認知症の症状は、引き起こす病気問わず、人それぞれのBPSDを持ち併せます。そのため、治療をする上でもその見極めは非常に重要となってきます。

コウノメソッドでは、医者から処方された薬の用法・用量については、医師の指示を100%遵守する必要はなく、介護者が患者の様子を見ながら適宜加して良いということにしています。認知症の薬には、副作用が大きく出てしまう時があります、医者も処方する量を人に合わせて行うことはありますが、一番に患者のことを近くで見ている介護者が適宜薬を調整することで、薬理作用を最小限に抑えることができます。

コウノメソッドには3つのコンセプトがあります。上記に詳しく丁寧に記載されています!ぜひ、WEBページご覧ください!


前回に引き続き、繰り返し書きますが、認知症は人それぞれ個人差のある、BPSDを持ち併せます。そのため、ケアをする上では見極めることが重要です。その点コウノメソッドは、医者による治療というよりも、医者と介護者によるケアという言葉の方が適切なのかもしれません。
今回は、一冊の本を紹介いたしました。まだまだご紹介したい本がたくさんありますので、今後も載せていこうかと思います。ご覧いただきありがとうございました!



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