非常事態宣言??

トランプ大統領の動向がまた物議を呼んでいるようだ。
非常事態を宣言すれば大統領権限で防衛費をある程度使えるようになるらしく、それを公約であった南部国境の壁の建設費に充てようということのようだ。

公約をなんとしても実現しようという姿勢はすばらしいが、戦争でも災害でもないのに、予算確保のために非常事態宣言をするのはさすがに職権乱用ではないのか、という疑問は沸く。

しかし、アメリカの南部国境で入国拒否されたり逮捕されたりする人の数は、なんと1日2000人ほどになるそうだ。これこそが非常事態というのである。確かに大変そうな数字だ。

単純に比べられるものではないかもしれないが、日本で入国拒否を受けた外国人は、昨年で5805人だったそうだ(法務省)。
アメリカの南部国境では、3日でこれを超えるというのである。陸続きの国境であることも考えると、国境警備隊の負担は相当なものだろう。

壁を建設したからといって密入国が根絶できるわけではないだろうが、国境警備隊の負担はかなり減らせるはずだ。
建築費はかかるだろうが、警備隊の維持費や密入国者の治安への影響なども併せて考えると、長期的に見れば経済的にも有益なのではないだろうか。
壁の建設は国益に適っているように思える。

ただ、やはり問題になるのは予算確保のために非常事態宣言をするという、政治的手法の妥当性だろう。
党内部でも意見が分かれているようだ。

話は逸れるが、個人的に気になっているのは環境への影響だ。
時間をかけて計画的に建造するのであれば、環境アセスメントもしっかり行われるのだろうが、非常措置として急造された場合、その辺りが疎かになりそうで怖い。

壁の必要性と併せてしっかり審議してほしい。

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