N国党首「竹島は韓国領」

8月31日に副党首の丸山議員が「戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」とTwitterで発言し、物議を醸している「NHKから国民を守る党」だが、今度は党首の立花議員が、竹島を韓国領と認定すべきと発言してニュースになっている。

丸山議員のtwitter

立花議員「70年近く占領されてるのに、今さら『日本の領土』って言ったら、戦争になるでしょ!だから、もう日本の領土じゃないってはっきり言ったら、戦争にならないということを言ってる。そういうことも考えましょうよと」

N国はNHKに関すること以外は自由に議員活動ができる党らしいので、竹島問題に関して党首と副党首で主張が一貫していないことは問題ないのだろう。

竹島を韓国領と認めるべきという主張には賛同できないが、長期間占領されたままの状態で日本が領有権を主張するのは苦しい、という指摘は一理あると認めざるを得ない。

竹島を巡っては最近は丸山議員とひろゆき氏のやり取りも話題になっている。

ひろゆき氏「韓国の竹島の実効支配が数十年続いちゃうと、国際司法でも韓国の領土として認められてしまう可能性があるので、丸山穂高議員みたいな人が竹島に行って、住んだりすると、日本国として認められやすいです。
口先だけでなく、竹島に自ら行ってほしいです。渡航費なら出します。」

政府は竹島の領有を示す歴史的資料をサイト上で発信するなどしている。
その活動自体はもちろん支持するが、国境線というのは不変のものではない。
歴史の流れの中で国境線が引き直されるということは何度もあった。

歴史的資料を提示するだけで、実効支配をいつまでも放置するなら、国際的な認識が「なるほど、昔は日本領だったんだね。でも今は韓国領だよね」となってしまっても不思議はない。
竹島を取り戻すつもりがあるのなら、なにか実効的なアクションが必要なのは確かだろう。

とはいえ、いきなり議員を送り出すのはさすがに無茶だ。
竹島周辺では日本の船舶が何度も銃撃を受けているし、漁船などが拿捕され、高校生を含む多くの日本人が韓国に連行されている。
日本側が撃ち返していないので「弾丸が飛び交う」とは言えないが、竹島周辺は「実弾が飛んでくる」紛争地帯だ。

ひろゆき氏の発言に対し、丸山氏は渡航費ではなく、まずは調査費として3億円を要求した。
これに対し、ひろゆき氏は渡航日を明示すれば支払うと応じたという。
また、ネット上では「100万もあれば漁船チャーターできるだろう」「俺のボート貸しますよ」などの声も上がっている。

武装集団が占拠する島への上陸、となると、普通に考えれば自衛隊が必要だ。
しかし、野党の一議員が自衛隊を動かすことは難しいだろう。
銃規制の厳しい日本では傭兵団を組織するのも難しい。

韓国政府の許可をもらって韓国経由で上陸するのが現状では最も現実的なのだろうが、これでは韓国の領土と認めているようなもので、日本の領有権のアピールとしては本末転倒だ。

防弾仕様のボートを用意して竹島に接近し、銃撃を受けたところで海保経由で海自に救助を要請して、なし崩し的に自衛隊を動かす、というのはさすがに乱暴すぎるか。
相手の装備次第では即死もありうる。

なんにしても、日本人が簡単に上陸できる状態であるなら、そもそも領土問題になっていないだろう。
ボートがあれば行けるというものでもないし、すぐに渡航日を確定的に回答できるわけもない。
調査費3億円という金額の根拠については疑問が残るが、まずは調査・検討のために相応の予算と期間が必要なのは確かだろう。

「丸山氏がこの問題についてどこまで本気なのか?」
「仮に本気だとして、問題解決の糸口を掴む力量はあるのか?」

いろいろと疑念は残るが、事態が動くなら見てみたいとも思う。
「丸山氏が本気なら自分も金を出す」と声を上げる人間がほかにも何人か出てきているようだ。
今後の展開に期待したい。


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