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人に寄り添う/本音を引き出す/場を促す!グラフィックファシリテーション 〜絵が苦手な人も大丈夫、日本一簡単な10のステップ(1)〜

描かれたグラフィックを見て、とてもこんなものは描けない。と言われる方に何人も出会ってきました。全国で実施してきたビジュアルプラクティスの講座を通じて、どんな人も、これからご紹介するテクニックを学んでビジュアライズをできるようになり、むしろ「絵が苦手なんです」と言っていた方のほうが、「描ける!」というわくわくを持ち帰っているように見えました^^私自身、デザイナーではなく、美術系の大学を出ているわけでもなく、絵を描くと言えば美術の時間に評価されるもの(=苦手〜)というイメージだったので、「絵は無縁」と思ってきました。ビジュアルプラクティスと出会って、描くことはコミュニケーション表現の一部だと実感し、話すのが苦手な私でも議論に参加しやすい、目の前のもやもやをしっかりとそこにいる人と共有できる技術だとしり、描けるようになりたくて何万回と描いてきました。その中で見つけた、現時点でも最もシンプルなステップをご紹介します。

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コミュニケーションを基盤としたビジュアライズは、目の前の「人に寄り添う」、会議やワークショップで「本音を引き出す」「場を促す」その他等を目的に描く際には、基本的にはリアルタイムで描くことが多いので、スピード感を持って描いていくことが必要です。詳細までこだわって描く完成度の高い丁寧な絵を描くよりも、さっとポイントを抑えた最小限のビジュアライズのスキルが有効です。

たくさんのアイコンを覚えるよりにも基本の型さえ覚えておけば、組み合わせでいろんな表現ができるので、ここでは、覚えなくて良いことは覚えず、色々使える型を習得するスタイルでいきたいと思います^^

STEP1.ビジュアライズのひらがな


 日本語にひらがながありますが、ひらがなを覚えておくと、組み合わせでt言葉を表現できるようになります。例えば、「そ」と「ら」を組み合わせると「そら(空)」になります。ビジュアライズでも、基本の記号の型を平仮名のように覚えておくことで、これらを組み合わせて表現することができます。ビジュアライズのひらがなは何十個もありません。たった10こ。これなら覚えられそうですよね。

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練習のPoint
丁寧に描くのも良いですが、慣れてきたら、素早く描く、一筆書きでさっと描く。上から描き始めるか下から描き始めるか自分の描きやすいスタイルを見つけるのも良いです。力の入れ方を変えるだけでも、線の太さが変わって印象が変わるかもしれません。

STEP2.ビジュアライズの単語
〜簡単な記号を組み合わせてアイコンを描く〜


単語とは、文法上、意味・職能をもった最小の言語単位です。例えば、以下のように、「ビジュアライズのひらがな」を組み合わせていくと、アイコンが出来上がります。

ex. △ □ □ ・    
ex. +  +   + ー  電球

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練習のPoint
同じアイコンでも、大きさを変えたり長さを変えたり接続の場所を変えるだけでも印象が変わります。また、アイコンは一度描くと、頭のどこかで残っていると言われているので、できるだけたくさん描いてストックしておくと、いざというときサッと出てきます。自分の関わっているフィールドのことを思い浮かべて、よく出てくる言葉を一度アイコンで描いておくと安心感が増えますね。何度もお伝えしますが、コミュニケーションを目的にしたビジュアライズでは、きれいに描く必要はありません。ビジュアライズは場の鏡なので、きれいに描くと、話し手も無意識に「きれいなことを話さなきゃ」と思うことがあります。ぜひ、あなたがつくりたい場はどんな場なのか、もう一度イメージしながら練習してくださいね。

私の場合、例えば、車のメーカーの会議に入るとき、車やエンジン、建物や車に関するアイコンの練習を聞いたらサッと出てくるまで練習してから現場に入ります。毎回、描いたことのないアイコンのストックを増やしながらワクワクしながら描いています。

STEP3.ビジュアライズの文
〜事柄(コンテンツ)と文脈(コンテクスト)を意識する

ここでの「文」は、一つのまとまった内容を表します。「カフェで友達と楽しくおしゃべりした」をビジュアライズすると、「カフェで/友達と/楽しく/おしゃべりした」のアイコン(ピンクで囲った部分)が組み合わさるイメージです。また、アイコンもよく見ると全てビジュアルひらがな(青色部分)の組み合わせで描けます。

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そこにいる人に意識を向ける練習をする
目的は「絵を描くこと」ではなく、目の前の「人に寄り添う」、会議やワークショップで「本音を引き出す」「場を促す」ことなので、描き手が目の前の絵に集中したりこだわったりしていると、そこにいる人たちの息遣いや声の抑揚、表情が見たり聞いたり感じ取れなくなるので、できるだけ初めは絵はそこそこで良い。むしろ、描くことは線一本をとっても自己開示をしている行為になるので、描き手が伸び伸び描けば、そこにいる人たちも伸び伸びと話し始めるようになるはずです。「こうあるべき」は、一度、頭の隅に置いておいて、全身全霊でそこにいる人に意識を向ける練習をしてみることで変化があるかもしれません。

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はじめは描けなくて当然。まずは「マッスルリメンバー」(筋肉が覚えるまで)で続けてみる。

STEP4〜は何を意識して描くの?熱量を描くってどういうこと?どのように話を聴いたらいいの?余白の使い方って?などご紹介をします^^

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